右斜め前の目黒くん (ページ32)

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Watanabe. Side

あれ、亮平くんだ。1年の階にいるとか珍しい。

俺に気づいた亮平くんはこちらに手を振ったので、
俺も軽く手を挙げる。

目「翔太くん、生徒会長と知り合いなの？」

渡「知り合いっていうか…
　Aの兄貴だから、よく遊んでもらってた」

目「え、阿部さんって生徒会長の妹さんなの？」

渡「え？うん、そーだけど…」

A自身が "生徒会長の妹" 感を出してる訳じゃないし、
まぁ知らない人もいるのか…

ふーん、なんて言いながら、お互い正面を向き直すと、
隣の席からガタッと音がした。

「翔太くん、それ英語？教えてあげよっか〜？」

渡「…もう終わるからいい」

「え〜そうなの、じゃあ私と話そ？」

聞き慣れない声の方へ少し視線を向けたが…

…いや、誰だよ。←

隣に座ってきたソイツに興味も湧かず黙っていると、
無言を肯定と捉えたのか色々話しかけられる。

それをテキトーに聞き流して、最後の問題を進めていると、
隣の席の本当の主が帰ってきた。

渡「おかえり、兄ちゃん何だって？」

A『生徒会なくなったから、一緒に帰ろって。
　だから、そろそろ出なきゃ』

あ、ちょうどいいタイミング。笑

渡「じゃあ、俺も帰るわ」

隣に座ってる奴から何か言われてる気がするが、
もう俺の頭ん中は "阿部兄妹と帰る" で占めているので、
何も聞こえてないかのように身支度を整え始めた。

目黒も帰りたそうにしてるのが伝わったが、
敢えなく栗原に捕まっていた。

…目黒くん、どんまい。笑

可哀想な目黒←に軽く挨拶して、Aと一緒に教室を出る。

阿「Aお疲れ様〜！
　…あれ、翔太も一緒？久しぶりだね！じゃあ帰ろっか」

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