右斜め前の目黒くん (ページ31)

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Watanabe. Side

無事(?)Aの許可が下りたことに安心したのか、
目黒は自分の机へと向き直った。

"時間ないならいいや" なんて展開を少し期待したが、
まぁそんなことも起きず。

…わざわざ学食ん時に俺たちの席に来るくらいだもんな。

目黒の背中を見て、小さく溜め息が漏れる。

すると、さっき前を向いたばかりの目黒が後ろを振り返り、
Aの机の上に自分のプリントを置いた。

目「阿部さん、最初から教えてもらってもいい…？」

A『あ、うん…！どれ？……///』

あまり見ないように、と自分の課題を進めようとしたが、
目黒が俺の机に肘を置いてるから、
何故か俺までドキっとするような距離感。

AもAで、
一生懸命になると相手に寄っちゃう癖は健在で、
お互い顔上げたらキスできんじゃねぇの？ってくらい近い。

Aは気づいてないんだろうけど、
教わってる目黒は時々目線を上げて微笑んでいるから
少なからずこの距離感を楽しんでるんだろう。

…これ以上見ていても俺の胸は痛む一方。

頬杖をつくことで2人を視界に入れないようにして、
ひたすら英単語を書いて気を逸らすことで精一杯だった。

暫く一人でプリントと葛藤していると、
聞き馴染みのある懐かしい幼馴染の声がした。

阿「A〜！」

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