右斜め前の目黒くん (ページ2)

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「「「蓮くん、おはよう」」」

「「「今日もかっこいい〜〜」」」

門をくぐると、いつも通りの黄色い声が聞こえてきた。

イヤホンをつけながら颯爽と歩く彼を囲う女の子たちは、

スカートは膝上10cm、ヘアメイクも気合いが入ってて、

いつもキラキラしてる。

「私だって、目黒くんのことかっこいいって思ってるもん…」

私みたいな平凡な子は、

話しかけるのにもハードルが高いから、

誰にも聞こえないように、そう小さくつぶやいた。

来海「A、おはよー！」

『来海ちゃん！おはよ～』

来海「あ〜…なるほどね、前にいるの目黒か…

　女子も皆、毎日キャーキャー言って、元気だよね笑」

『うん… そうだね…汗

　でも、可愛い子から声かけられたら、

　目黒くんも嬉しいんじゃないのかな…？？』

来海「あれだけ毎日きゃーきゃーされたら、

　優男の目黒でも流石にうざいでしょ笑」

来海ちゃんとは、入学して最初の席が隣同士になってから

仲良くなった友達。

思ったことをすぐにハッキリ言えるかっこいい子だから、

うじうじしている私にもバシッと言ってくれて、

いつも助けてもらってる。

そんな来海ちゃんは、

中学の頃からお付き合いしている先輩がいるから、

目黒くんに対しても興味がないらしい。

何なら

"いつも周りに騒がしい人が付き纏ってる人"

っていう、マイナスイメージすら付いてるみたい…汗

だからこそ、私が密かに抱いている想いも打ち明けられず、

入学して2ヶ月が過ぎていた。

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