1話 ページ3
ローside in ライブ会場前
「楽しみだね〜キャプテン！」
「はぁ……」
浮かれ気分で隣を歩く航海士ベポを横目に、俺は今日何度目かのため息をついた。
俺たちが今いる場所は[エレジア]という島国だ。
かつては音楽で栄えていたと聞くが、生憎の曇天模様と漂う霧も相まって、当時の面影すら伺えない。
船を降りて歩くとすぐに他の観客達による長蛇の列が見え、手に入れたチケットを受付に見せて次々に入場していた。
「わぁ…！ファンの人が沢山いる！」
「凄い行列だな……受付までしばらく掛かりそうだ」
「僕たちも早く並ぼうよ、キャプテン！」
先を急ごうと列の最後尾へ進むベポ。
「おい、フラフラするな。ぶつかるぞ」
「アイアイキャプテ＿＿＿＿あたぁっ！？」
案の定、言ったそばからぶつかりやがった……
体格差があり過ぎたのか、ベポがぶつかった相手は呆気なく倒れ、尻もちを着いた。
「ごごごっ、ゴメンね！？大丈夫？」
「だから言っただろうが！」
「すんません…」
オドオドしているベポは放っておき、俺は未だ地に手を着いたままのそいつに手を差し伸べる。
「うちのが悪かったな、怪我は無いか？」
白いマントに身を包むその人物が俺の手を遠慮がちに掴むと、グイッと引っ張り起こし、声をかけた。
俺の言葉に小さく頷くと、マントに付いた砂汚れを払う。
(とりあえず異常は無さそうだ…)と安堵しつつ、原因のベポに鋭い目線を送った。
それに気付いたベポは冷や汗をダラダラと流し、何を思ったのか相手に話しかけ始めた。
「き、君もウタのライブ見に来たの？」
ここにいるのだから当たり前だろ…と、思わず頭を抱える。
しかしベポの問いかけにそいつが答えることはなく、先程と同じように頷くだけ。
それに少し不信感を抱いた俺は、「そうなんだ！同じだね！」と呑気に花を飛ばすベポに構わず、そいつを観察した。
＿＿＿＿皆、と言ってもざっと全体を見回した感じだが。
殆どの観客がライブのグッズや、ベポのように自作の応援具を手にしている。しかし目の前の人物はどうだ。
何処にでもありそうな白地のマントを目深く被り、辛うじて口元が見える程度。長丈のマントで足首まで覆われているから、どんな装備かまでは分からない。
少なくとも、チケットが即完売する程の人気があるこのライブに来たファンだとは言い難い容姿だった＿＿＿＿＿＿
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はる - 初コメ失礼します!!この小説大大大大大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (11月10日 8時) (
レス) @page25 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ(プロフ) - お久しぶりです。続きの更新が楽しにしています😊後、この小説はトラファルガー・ローオチでお願いします🙇 (10月21日 18時) (レス) id: b10205217f (このIDを非表示/違反報告)
akithin.(プロフ) - 更新楽しみに待ってます！ (2023年3月13日 1時) (レス) id: 967e5fc6bc (このIDを非表示/違反報告)
まろん - 面白くて入りやすいです！！関係性や過去が気になります！頑張ってください！！ (2022年12月27日 23時) (レス) @page25 id: 8c92803490 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めてまして、この小説は、トラファルガーローオチでお願い出来ますか？続き頑張ってください。応援しています。 (2022年10月27日 8時) (レス) @page1 id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：毘張 | 作成日時：2022年9月24日 21時
