兄貴達 ページ5
───疾風side
撮影やなんやらでなかなか参加出来ていなかったから少しでも遅れを取り戻そうと、レッスン時間前に自主練をすることにした。
一通り踊って、録画して自分で確認し修正して。
広いレッスン室に俺のシューズの音だけが響く。
休憩しようとし、飲み物を持ってきていないことに気づき仕方なしに自販機へ向かった。
『…あ』
少し前を歩いている真っ黒な人。
あの姿形は紛れもなく、俺の大好きな兄貴分。
『大我ー!!!!』
京本「おわっ?!」
走って抱きつけば、腕の中にすっぽりと収まる京本大我。
『おはよ、大我』
京本「ん、おはよ疾風」
まだ眠そうな声で呼ばれる名前が心地いい。
京本「ねえ、離して」
『なんで』
京本「顔が見たいから」
『え、キュンってした!!』
京本「ふはっ、今日テンションバカなの?」
めんどくさくなったのかバックハグ状態のまま、大我が歩いていく。
俺がずりずり引きずられているこの状態はわりといつものことで。
森本「あ、きょも!疾風付きか!おはよ!」
京本「おはよう」
『おはよ、しんちゃん。俺もコーラ飲みたい』
京本「朝からダメだよ、お茶にしなさい」
だってよ、と自販機前にいたしんちゃんにお茶をもらった。
慎太郎はコーラなのになんで俺はお茶なんだろ。
京本「疾風朝飯は?」
『食ってない』
京本「あげるから食べな」
そのままSixTONESさんの楽屋に入って、大我の朝ごはんを分けてもらう。
『パンがいい』
森本「あは、我儘だねえ」
京本「食べなきゃダメだよ」
ほら、と大我の手ずから口に運ばれたおにぎりを咀嚼する。
『ママのおにぎりだ!』
いい塩加減で握られたおにぎりは大我ママの手作り。
京本「お前がいると思ったから作ってもらったんだよ」
俺の好きなごま高菜入りのおにぎりを食欲が無いけどぺろりと食べきってしまう。
『美味かった〜!ごちそうさま!』
そのままごろんと大我の太ももに頭を乗せれば、自然な動作で頭を撫でられる。
森本「腹いっぱいになったから眠いんじゃね?」
京本「相変わらず赤ちゃんだよなあ」
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作者名:桜 | 作成日時:2023年11月14日 1時