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　陽気につられるままに話していたらいつの間にか敬語はすっかり取れて呼び捨てにも慣れた。

　お店がたくさんある方に出てからは服屋とか雑貨屋とか、いろんなところを見た。普段着れるようなロンTとか部屋に置けそうなものとか。いろいろ買うことが出来た。楽器屋に行って超個人的な買い物もさせてもらったりもしちゃって、充実していた。個人的には。

　ジェシーもどこに行っても楽しそうにしていたし色々と買っていたみたいだから楽しんでいた、んだと思う。

　ジェシーはどこに行っても優しい人だと思った。どのお店の店員さんにも、ちょっとぶつかってしまっただけの何でもない人にも丁寧で優しい。

　そして私にも。何度も咳をしたし、話すたびに自分で「これ聞き取れんのかな」とか「ひどい声だな」と思うくらいのことがあっても気にしない様子でいつも通りにしてくれる。

　バイト先でお客さんに向けられる嫌な感じもなく、過剰に心配するような感じもなく、普通に接してくれる。それが一番楽だと感じてること知ってんのかなと思うくらい。

ジ「あー、色々買ったぁ！」
　「そうだね。私も久々に色々買っちゃった」
ジ「あの服とかさ、ライブで着たりするの？」
　「する予定。そろそろ新しいライブで着る服ほしかったし、その為に買ったもん」
ジ「見るの楽しみ！」

　夕飯を食べて帰ろう、ということになりファミレスに入った。注文を済ませて待つ間の会話。何気ないけどなんとなく、今日一日でテンポが合うようになった気がして心地いい。

ジ「まさか一緒に出掛けてくれるとは思わなかった」
　「んー…そうだね」
ジ「友達の友達、みたいな感じだったのにね」
　「ね」
ジ「あの時大学で会えてよかったー」

　あの時？大学？一瞬頭にハテナが浮かんだけど少しして思い出す。あれか、大我迎えに行って待たされた時。ジェシーとの出会いってあの時？？

　「あの時が最初か…」
ジ「こーちと一緒にいてくれたからだなー。もうなんか懐かしい」
　「元をたどれば大我が私の事待たせたせいだけどね」
ジ「そうだった！でも、俺からしたらこーちといてくれなきゃ関わることなかったし！俺が一方的に興味あっただけの店員さんと客ってだけだったもんね」

　…確かにそうだ。あのときこーちさんが目の前を通ってくれて、捕まえていたおかげでジェシーと関わることが出来た。あと、樹さんとも。

　…こーちさんって、ジェシーとかの前だとどんななんだろう。