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「今日は一人だったんですか？」
ジ「慎太郎もいたよ？」
「え、ほんと？気付かなかった」
ジ「一緒にはいなかったからね。ライブ始まったらはぐれちゃって」
「あるあるですね」
家までの街灯のない帰り道。今日は隣にジェシーさん。さすがに夜も遅い時間。この時間に大声を出すようなことはしないみたいで、少し落ち着いた声で話してくれる。いつも声大きくて元気だから気付かなかったけど、本当は落ち着いた声してるんだな。耳が心地い感じ。
ライブにはこーちさんとジェシーさんしか来たことがなかった。でも、あの、酔ってみんながバイト先に来た時以来、あのメンバーとの仲がちょっと深まった。会う回数が増えたし、話として聞く回数も増えたし。で、仲が深まった(？)結果、他の人たちもライブを見に来てくれるようになった。
私としては見に来てくれる人増えるのは嬉しいしそれが知り合いとなればもっと嬉しかった。大我は文句言ってたけど。「急に恥ずかしい」と。…結局嬉しそうにしてたけどね。
ジ「…そういえば、なんですけど」
「…なんすか、改まって」
道の途中、急に立ち止まって初対面からほとんど敬語なんて使っていなかったようなジェシーさんが敬語を使って話だす。急すぎて驚いちゃうじゃん。さっきまで普通に話してたくせに。
ジ「明日って、暇だったりします？」
「…その心は？」
ジ「一緒に出掛けたりしたいなー、と、思いまして」
「…ほぅ」
まさかのお誘いに驚きを隠せず固まってしまった。一緒にお出かけ、か。ライブの次の日に。
予定はない。ないけど…多分、喉の方が、心配。
ジ「いや、無理ならマジでいいの！もっと話したいなーと思ったのが一番だし、それならいつでもいいし！疲れてるだろうしね！後忙しいだろうし！それに…」
「…いや、いけます」
私の無言が否定と取られたのか、何かを誤魔化すようにベラベラと話し出して次第に私の心配をしてくれる。
なんかその姿を見たら申し訳なくなって…。こんな機会中々ないし、一緒に行けるもんなら行きたいし。このタイミング逃すのはもったいない気がした。
「それは、二人です？それともほかにも誘う？」
ジ「…お、れは二人がいい、と思ってたけど…。マジで？いいの？」
「いいよ？」
ジ「よっしゃ」
さっきまで不安そうな顔をしていたのにパッと顔を明るくしていつも通りの笑顔を見せる。うん。この顔の方がジェシーさんらしい。
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作者名：天羽
| 作成日時：2022年3月8日 2時
