sound (ページ24)

今日:18 hit、昨日:36 hit、合計:92,913 hit

24 ページ24

.

高「めちゃくちゃ楽しかったです！Aさん、めちゃくちゃかっこよかったです！」
　「…ほんと？ならよかった」
高「なんで嘘言うんですか。本当に。」
　「よかったぁ…」

　優し気に笑いながら言われるそれに嘘を感じなくて、心の底からホッとする。自分たちの大事な時期だからというのと私タイのことを知ってたから、という理由で少し強引に誘った今回のライブだったから。というのと、ライブ中、最初の方のこーちさんの戸惑った顔。本当はこういうの苦手なのでは、とも思って不安だったから…安心した。

高「俺…何曲目だったかな、あの、英語の曲…大我と一緒に歌ってたやつ。あれすげー好き」
　「…4曲目くらいの？」
高「多分その辺の！あれすげーかっこいいし、二人の声がいい感じだった。素人が言うのも変な話かもだけど」
　「そういう感想すごく嬉しいっす」
高「そう？ならいいんだけど」

　しゃがんだまま少しだけ話をする。夜の雰囲気と涼しさ、高揚した気分と少しずつ冷めていく体温。そして、聞こえるこーちさんの声が心地よかった

ジ「こーちぃー」

　そのゆったりとした心地の良い空間に一つ、声が響く。近くにあるお店から出てきたジェシーさんが私たちの方に向かってくる。顔を上げてそれを確認するとジェシーさんは目を大きくして「なんでいるの！？」と言う。…その顔が少し赤いような？

ジ「めーちゃくちゃカッコよかった！」

　ジェシーさんを迎えるために立ち上がったこーちさんにつられて立ち上がる。立ち上がった目の前にはジェシーさん。興奮気味、とでもいうように大きな声を出す。

ジ「Aちゃん歌うまいねー！すげー聞きやすいの。で、大我の声もちょーかっこいいし！ずっと聞いてられると思った！」
　「あ、ありがと…？」
ジ「みんな楽器も上手だし！しかも楽しそうだし！絶対また来る！それにさ…！」

　私の目の前で感想が止まらないジェシーさん。…嬉しい。嬉しいけど熱量がすごくてびっくりしちゃう。盛り上がって喋るジェシーさんの話もちゃんと聞きながらコソッと隣にいるこーちさんに声をかける。

　「さすがに、これは嘘じゃないってわかる」
高「でしょ？しかもこいつ酒飲んでるから…余計盛り上がってるかも」
　「…あぁ、なるほどね」

　ドリンク代で交換したのか、それともそれとは別に呑んだのか。分からないけどもこーちさんの言葉を聞いてこのテンションと赤い顔の意味が分かった。