Wake up (ページ10)

今日:15 hit、昨日:20 hit、合計:78,742 hit

・ページ10

.

樹「俺は先生に呼び止められたから」
北「俺は樹待ち。一緒帰るって言ってたのに来ないから」
樹「で、帰ろうとしたら誰かいるからのぞいたらAだから、びっくりした。今日部活いないし休みかと思ってたからさ」
　「部活行ってなかったの分かってたんですか！？」
樹「そりゃこんだけうるさいのいなけりゃね」
　「うるさいのって失礼じゃないですか？」

　ちょっと怒ったように言いながらも嬉しそうに笑うA。こんなん見たら一発でわかっちゃうんだよな。A歴長いから。…まぁ、分かってたんだけどね。初めてAが樹といるとこ見てから、ずっと。

北「なにこれ」

　入り口で楽しそうに話す二人を眺めていればAが座ってた席の前の席に北斗が座る。そしてAの解きかけの課題を見ていた。俺が事情を説明すれば呆れたような顔をする。中学も同じだったし、それなりに仲良くしてくれた先輩だからAの頭の悪いことも知っている。授業態度も。

北「A、これ、終わんないと帰れないんじゃない？」
　「…そうだった。」
北「慎太郎も待ってんだし早くやりなさい？」
　「北斗先輩教えてくださいよ」
北「どれ分かんないの？これ？」
　「そう。それと、これが全く分かんないんすよ」

　樹に向けていた顔とは全く違う顔で帰ってくるA。分かりやすすぎじゃね？

　席に座って北斗に教えてもらいながら解き始めるA。俺らと比べて頭のいい北斗だし、わかりやすく教えてくれるだろう。と、俺もまた携帯をいじりながら待とうかと思っていれば樹に呼ばれる。

森「なに？」
樹「自販。付き合って」
森「えー」
樹「どうせ暇だろ。」

　ほら、と先を進む樹について行くしかない。どうせ暇だし。一応この人先輩だし。

樹「お前さー、なんで俺見るとたまに変な顔するわけ？」
森「変な顔？してないけど？」
樹「してるから。無意識？」
森「だとしたらごめん」

　自販機で炭酸飲料を買う。どうせならAにも買ってやろう。

樹「お前らさ、本当に付き合ってないんだよな？」
森「だーかーらー！幼馴染だって。何回聞くの？」
樹「仲いいなーと思ってさ」

　その質問の意味が本当にそれだけなのか、気になってしまう。樹がどんな気持ちをもってそれを聞くのか、疑ってしまう。

樹「別に取んねーよ」

　