Wake up (ページ7)

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【帰り道】ページ7

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「「じゃんけんぽん」」
森「グーリーコ」
「「じゃんけんぽん」」
　「ち、よ、こ、れ、い、と」
「「じゃんけんぽん」」
森「ぱーいーなーつーぷーる」
　「うわ、ずる」
森「ずるじゃねーよ。しょうがないじゃん、俺足長いから」
　「まじでうざいね」
ジ「いや、何してんの」

　テスト終わりの帰り道。いつもより早い時間、それに天気もいい。監視がないと勉強しないから、と二人で俺んちに帰って一緒に勉強しよう、と思っていたのに…。俺らがまともに帰れるわけがなかった。

　どっちから言い出したかもわからない。いつの間にか始まったグリコをしながら帰っていれば後ろから少し引いた感じに声をかけられる。

　「見てわかんない？」
ジ「グリコでしょ？わかるけどさー…高校二年生になったんだよ？しかも二人でやる？」
　「実際やっちゃってんだよなー…ね、慎ちゃん」
森「意外と面白いよ？やる？」
ジ「えー…やる」

　少し呆れた様子を見せながらも参加したジェシー。「ならリセットね」なんて全員で一か所に集まる。

「「「じぇーんけーんぽん」」」
ジ「あ、ぐーりーこ」
　「絶対あいつズルなんだけど！！」
ジ「ごめん、俺足長いからさ！」

　俺よりも背の高い、というか、足の長いジェシー。大きく足を開きながら3つ進んだその距離が3つ分ではないように感じる。Aがズルと言いたくなるのも分かるな。

「「「じゃんけんぽん」」」
　「ぐー！りー！こー！…ねぇ!なんで同じ数なのにこんな違う！？」

　同じく3つのはずなのに全然ジェシーに届かないA。ただ足を開くだけじゃなくて少しジャンプしながら行ったのに届かないってどういうこと。

森「A、足短いんだよ」
ジ「うわ。慎太郎言ったよ」
　「失礼が過ぎるだろ」
森「でも事実じゃね？」
　「事実じゃなーいー！身長が少しあんたらより低いだけだから！」

　少しどころじゃないよなー。なんて怒るAを眺めれば「ほら、やるよ！」なんてまた騒ぎ出す。

　そのまま進んでいったグリコ。足が短い…と言ったら多分怒るな。俺らより背の低いA。じゃんけんにもなかなか勝てず、近所迷惑になるんじゃないかってくらい大きい声を出さないとジェシーに声が届かなくなっちゃうんじゃないかってくらい二人の差がついた。ジェシー寄りにいる俺もAの少し小さめな声が聞こえないくらい離れてしまった。