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「私と京本、普通のデートしたことないの」
樹「はい？」
カフェに入って注文を済ませ、時間を引き延ばす必要もないからすぐに話し始めた。
私と京本の関係、今の状態、それをどう思っているか、本当はどうありたいか。
初めてのこんな話をできる相手だったからか一度こぼした言葉は止まらずどんどん出てきた。樹くんの相槌、聞き方がちょうどいいこともあったと思う。
とりあえず、全てを話した。
「…まぁ、そんなわけで付き合ってるとも付き合ってないともいえると思ってるというか。」
「多分丁度いいのよ。あんな一方的な告白でも受け入れて“付き合ってる”ってことにした方が私を手の中に収めて置けるから。そっから先がどうだろうとよかったのかなって…」
「…ごめんね、こんな話長々と。しかも避けて通れなくて結構なんというか、生々しいというか」
話し終えて少しの恥ずかしさと申し訳なさ、たくさん話したことによる喉の渇きを頼んでいたカフェラテを飲んだ。
…ここのカフェラテ、にっがい。苦いときいつも入れるシロップを探すけど見つからない。先にいれててくれてこの苦さなのか、シロップ自体が付いてこなかったのか。分かんないけど“ない”ということはこの苦さに耐えなきゃいけないのか。失敗したな。
樹「…なんつーか、難しいねぇ。そんな顔するまで一人で考えてたんだ」
「そんな顔って…。変な顔してるとしたらこのカフェラテが苦かったからだけど」
樹「カフェラテが苦いことある？大丈夫、話してる時から顔がしんどそうだったからカフェラテのせいじゃない」
「…そう、ですか」
いつもの調子だったら「カフェラテも苦いことあるよ？」ってそっちに反応して話を少し逸らすけど、今日は違う。話を聞いてもらってるしくだらないことはできない。しない。
樹「きょも、そんな奴じゃないと思うけどな」
「ね。私もそう思う。そんな器用なこと出来ないというか、それならそれで言ってくれそうだと思った」
樹「だよねぇ。」
「でも、実際がこんな状態だから、そうなのかなって、思っちゃうというか」
樹「何が引っかかるってなんで付き合ってんの隠してるかってことだよなぁ」
「そう！それなの！」
コーヒーを飲みながらゆるっと私の話しを聞いて、それでいて大事なところは逃してない。ただの陽キャかと思いきやちゃんとした人だな？
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作者名：天羽
| 作成日時：2022年12月3日 2時
