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高「あぁ、ごめんごめん。タイミング悪かったね」
少し独得な高い笑い声を出して笑う優吾くんにつられそうになる。なんかこういう風に楽しそうに声を上げてるところってあんまり見たことないかも？
高「聞こうとは思ってて、一息ついたし今かなーって思ったらちょうど飲んでると思わなくてさー」
「…こっち見ながら話してくれればいいじゃん」
高「景色がきれいでさー。これからはちゃんと確認します」
まだ小さく「ふふっ」っと笑いながら言う言葉に私も「お願いします」とふざけて丁寧に返す。それにもまた小さく笑いが返ってくる。
高「いやね、慎太郎もさすげー気にしてたの。大我の事。あいつも大我が機嫌悪いの気付いてたみたいだし、なんかちょこっと話聞いてたみたいだし。」
高「そのうえ…ほら、この間のコンビニの、見てたでしょ？だからすげー気にしてて。」
高「あ、慎太郎だけじゃないよ？俺も…その、心配、ではあったし…。だから、さっき連絡来たの見て安心した。…だから、なんかすぐ話聞きたくなっちゃって。急でごめんね」
優吾くんが心配してくれていたことも、森本くんが気にしててくれたことも嬉しい。けど、やっぱり迷惑かけちゃったなぁ。という気持ちも大きい。だからこそ、ちゃんと話はしないといけない。
「ごめんね、心配かけて。もう、本当に大丈夫」
「大我の思ってたことも聞いたし、私のことも話した。大我がずっと私の事気にかけてくれた理由もしれたし、今後のこともちゃんと話せたよ。もうあんな風に急に泣いたりとかはしない。大丈夫」
ずっと、自分の喉を気にして小さな声だった。けど、これだけはちゃんと伝えなきゃと思い、少し声を大きくして、優吾くんをまっすぐみて言う。そうすれば、優吾くんは表情をやわらげて、大きく頷いて、私の目をじっと見返す。
高「よかったね」
「うん。本当によかった。改めて色々ありがとうね」
高「全然、なんにもしてないよ」
こんなに巻き込んだのに、詳しいことは言えてないのに。それでも納得したように笑ってくれる優しさが温かい。
そんな温かい人に、このチャンスにもう一つ、伝えなきゃいけない。
「あのさ、優吾くん」
高「ん？」
呼びかけながら携帯を操作してカレンダーを出す。
「この日、空いてる？」
高「んっとね…空いてる、けど」
「なら空けたままにしてて。特に夜」
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作者名：天羽
| 作成日時：2022年11月30日 3時
