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高『いつ行く？』

　…お？

　開いてすぐ見えた４文字に首をかしげてしまう。「いつ行く」って…どう考えても何かのお誘いじゃん？なんの？前触れなし過ぎて見当もつかない。

　わからな過ぎる。けど、既読はつけてしまったから何かは返信しようとハテナマークを使ってるスタンプを送り返せば画面を閉じる前にまた返信。

高『バイクの後ろ、乗る話してたじゃん？』
高『ちゃんと話もできたみたいだし、いつがいいかなーと思って』

　確かにその話していた。でもそれは、あの時落ち込んで泣くところまで行ってしまった私を慰めてくれるためのその場しのぎの話…のようなものだと思ってたのに。本当に載せてくれる感じ、だよね？この感じ。

　『本当に乗せてくれるの？』
高『…乗せる気、だったけど。もうその気なくなってた？それか、その場で言っただけだった？』
　『違う違う！乗せてくれるなら嬉しい！乗りたい！』
高『よかった。俺のはやとちりじゃなくて。』
高『で、いつにする？』
　『いつでもいいよ。優吾くんの都合のいい時で』
高『なら、今から、とか？』

　バイクに乗せてくれる話、本当だったんだ。ってそのことに嬉しくなってほこほこしていたところに「今から」なんて文字が見えて思わず「今！？」と声に出してしまう。

　今から優吾くんのバイクの後ろに乗るの！？いや、何かこれからあるわけじゃないし、時間はあるんだけど…。もう部屋着になっちゃったよ？化粧はまだ落としてないし髪の毛も…別に大丈夫だけど…。…ってなんでこんなに見た目のことまで気にしちゃってる？

　追い打ちのように「どう？」と来ていたものに、深呼吸をして文字を打ち込む。

　『大丈夫、だけどいいの？』
高『大丈夫。なら今から行くから待ってて』
　『わかった。気を付けて』

　グッと親指を立ててるスタンプが送られてきたのを見て画面を閉じる。

　…急、だけど、バイクの後ろ乗ることになっちゃった。急すぎて変に緊張してきた。今日一日すごくないか？樹とデート(仮)して、大我と話し合って買い物して、優吾くんのバイクの後ろに乗る。…すごいって。盛りだくさんが過ぎる。

　そんなことを考えながらラフだけど部屋着とはまた違うような服装に着替えて、少しの荷物をもって家を出る。優吾くん、家の場所知ってるはずだけどもっとわかりやすい、バイクで通りやすそうな道まで出ておこう。