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また自分のところにメモを引き寄せる大我にペンも渡せばサラサラと文字をつづりだす。身を乗り出してその一文字一文字を追う。
京『やめるって言われてカッとなって色々言った。どれだけしんどいか、考えればわかったはずなのに。』
京『お前に言われて連絡、見返した。確かに無視してるのいっぱいあって、この中に話そうとしてくれてたやつあるって思ったら反省した』
京『だから俺にも反省することある』
確かに、あの言い合いの中で「ちゃんと連絡も見てくれない」「電話も出ない」みたいなことは言った記憶がある。病院の後、連絡しても出なかったり、それ以外でもよく連絡途絶えることあったから。
でもその言葉が反省につながるとは思ってなくて、驚いてしまった。
驚いたと同時に、大我が謝ってくれたこととか、色々気にしてくれてたことを知ったおかげでじわっと温かくなった目頭からポロッと涙が落ちてしまう。
京「泣くなよ。いじめてるみたいじゃん」
『涙腺弱いの知ってるじゃん。しょうがないでしょ』
京「知ってるけどさ…。ここ、昼間のファミレスなんだよなぁ…」
はぁ。とため息をついてからメモでやりとりをしていた間に届いたものを食べ始める。私の涙が落ち着くのを待ってくれるんだろうな。
…こういうのは一言がなくても分かるのに、なんであんなにすれ違って怒鳴り合って、それを長引かせてしまってたんだろう。
私も自分を落ち着かせるためにデザートを口に入れる。甘い。変な緊張もしたし、甘さが心地よい。
私のデザートが食べ終わって、そう言えばまだ聞きたいことがあったことを思い出し、メモに手を伸ばす。
その動きが見えたのか大我はもぐもぐと口を動かしながら私の綴る文字をじっと見る。
『会わせたくなかった。ってさっき言ってたよね？どういう意味』
それを書き終えると同時に大我は「あー…」なんて言いながら首のあたりに触れる。ちょっと居心地悪そうに。そして、ちょっと言い辛そうに「だってさ」と話し始める。
京「あいつら、うるせぇじゃん。よくしゃべるし。…お前の喉がすぐガサガサになるのは前からのことだから慣れてたけど、あの、うるさいやつらと話させたら歌う以外でも喉使って、バンドに影響するって思ってて…。だから、あいつらとお前を会わせたくなかった」
京「うざいかなって思いながらだったけど、俺の知らないとこでAが何してたか聞いてたのも、似たような理由」
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作者名：天羽
| 作成日時：2022年11月30日 3時
