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高「大丈夫、いていい。つーか、慎太郎ならさっきのでなんとなく察してるでしょ」
ニコッと笑顔を浮かべて言うこーちにまた腰を上げそうだった慎太郎が素直に腰を下ろす。それを見てから、こーちは「ん−…」と少し考えるように斜め上を見た。
高「あのコンビニを選んでいく理由は商品があるのもそうだし、バイクでちょっと走るのにもちょうどいいから。っていうのも本当なんだけど、まぁ、今じゃもうそれ以上に、理由があって、」
高「分かってると思うけどさ、Aがいるから、なんだよね。ちょっと遠くても、知り合いがいたら行きたくなるじゃん？」
こーちのあの独特な高めの笑い声を出しながら話す。真剣な感じで話してるのにその声を聞くと少し柔らかい感じが漂う。
高「それに…うん。ジェシーも慎太郎も気付いちゃったかもしれないけど、Aのこと、気になってるっぽいんだよね」
高「あー…嘘」
高「多分好き」
一つ一つ、区切りながら言ったこーちの言葉はなんとなくわかっていたことだから驚きはしなかった。でも、あの日、全然そんな気ありませーん。みたいな感じにしていたこーちが“多分”なんてつけながらもはっきりと、優し気で愛おしそうな表情をしながら言った…ということには少し驚いた。こーちってそんな表情するんだって。
高「言っちゃえば最初は不愛想な感じだったじゃん？それがあんなに表情崩してくれるようになってさ。お前らのおかげもあるけど話し方とか呼ばれ方とか？いろいろ変わった感じとかさ。そーゆー変化とか」
高「バンドのかっこいい感じと、俺らに対する感じと大我に対する感じの違いとか…。お酒飲んだ時の感じとかもだな。いろんな面見て、ギャップっつーの？初めてちゃんと感じたんだよね」
高「あとは…溜め混んじゃうのかな？さっきみたいになっちゃう感じとか心配になるじゃん」
高「…今まであんまり思ったことなかったけどさAには笑っててほしいって思うんだよね。さっきの感じとか見ると余計に。多分そういうのはジェシーとかの方がうまいと思うんだけど、…ごめん、その役目は俺がいいって思っちゃうんだよね」
高「あーあ！疲れてたからか？なんか酔い回るの早いわー！」
俺が驚いたこーちの表情のまま、いろんなことを思い出すように視線を彷徨わせて、笑みを浮かべながら話すAの好きなところたち。こーちが、こんなに話してくるとは思わなかったから今度はちゃんと驚いた。
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作者名：天羽
| 作成日時：2022年11月30日 3時
