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「それじゃ」
しまった、というような顔で話を切り上げて走っていくA。名前を呼んだけど振り返ることも止まることもなく去っていく。A、体力もないし、足も速くないから追いかければ追いつける。けど、出来なかった。
森「はぁ、」
ため息をつきながら背もたれに寄りかかって天井を見上げる。
全部わかった。最近の違和感の意味。Aの話した内容が衝撃的過ぎて体が動かない。あれに嘘が一つもないとしたら。…いつから？…わかんないって言ってたか。全く気付かなかった。最近違和感はあったけどそれがそういうことだとは思わなかった。
生まれてからずっと一緒で、隣にいた。性別とかそういうのを意識するよりもずっと前から一緒に居たから、信頼故というか、距離感が近いことが変と感じることもなかった。…そんな中に好きとか、そういうのが生まれるとは思いもしなかった。
俺はいつからAに苦しい思いをさせていたのか。後悔しかない。気付けなかった。いつもフラッといなくなるAが怖くて、これからも隣にいるものだと思ってて。
森「そーゆうことね」
…今更分かった。樹が何回か言っていた「何したいの？」という言葉の意味。一緒に居たいだけ。今まで通りAの隣は俺で、俺の隣はAで。あいつのことを一番知ってるのは俺で、俺のことを一番知ってるのはあいつでありたかった。
「一緒に居るのが当たり前だから」それだけじゃもう一緒に居られないらしい。
俺が花ちゃんを好きな限り、同時にAと今までの距離でいられなくなる。言われないと気付けないなんて俺はどれだけ馬鹿なのか。二人に向ける感情は違くても、二人に同じ距離感というのは同時には成立しない。
森「まだあそこかよ」
窓から校門の方を見れば走るのには疲れてしまったのか、早歩きのような動きでいつもの帰り道を一人で歩くA。あの隣を歩くことはもうないのか、なんて思えば人生で初めての喪失感に似たものを感じる。
家に帰っても、ご飯を食べても、寝ても醒めてもその感覚は抜けなかった。いつもの時間に家を出る。でもいつもの場所にAはいない。昨日のことは嘘ではないと実感させられながら一人で歩く。
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あまは(プロフ) - よしのさん» 最高だなんて…ありがとうございます！もう少しで完結の予定ですが、それまでお付き合いいただけたら嬉しいです！ (2021年12月20日 0時) (
レス) id: aa4a13b0c9 (このIDを非表示/違反報告)
よしの(プロフ) - シンプルに最高な作品に出会ってしまいました！！！ありがとうございます＾＾お身体ご自愛ください！ (2021年12月17日 11時) (レス) @page45 id: 2f2270aaf2 (このIDを非表示/違反報告)
あまは(プロフ) - hohoさん» 私もしばらく前に学生生活を終了した身なので記憶を引っ張りながらですが、そう思っていただけてすごくうれしいです！こんな作品ですが癒しになっているなら幸いです(笑)育児がんばってください！ (2021年12月16日 1時) (レス) id: aa4a13b0c9 (このIDを非表示/違反報告)
hoho(プロフ) - きゅんきゅんを何処かに置いてきた私の癒しです笑。こんな高校生活送りたかったー！って思いながら育児頑張ります( ^ω^ ) (2021年12月15日 18時) (レス) id: 80be9b38a5 (このIDを非表示/違反報告)
天羽(プロフ) - ありありさん» 凄く嬉しいコメントありがとうございます！！すごく励みになります！また書きたいお話はあるのでしばらく後になってしまうかと思いますがジェシー落ちは書く予定ですので気長に待ってもらえたら嬉しいです！！ (2021年12月15日 14時) (レス) id: 13830d60cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天羽
| 作成日時：2021年11月7日 2時
