きっと (ページ25)

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樹「だから、俺なりに焦ってたわけよ。早く他の女との関係全部切って、ちゃんとAに向き合おうって。関係切りながら、Aとも距離縮めていけるようにって思ってたしさ。

　俺、Aだけだったよ？普通の友達、みたいなテンションで話せるような感じの女。一番居心地よかった。…そん中でお前が少しずつ元カレへの気持ち無くなってんだってわかる感じもすげー嬉しくて。俺のおかげ？なんてうぬぼれて。

　ちゃんと距離縮まったかなって最近思えてて。他の女との関係やっと全部切れたから今からやっと本腰いれて頑張ろうって思ったらAと連絡取れなくなるし。…本気で不安だったんだからな？なんかあったんじゃないかって。

　で、久々に連絡来たと思ったら様子変だし。会ってみれば…なんつーか、最初にあった時みたいな雰囲気してるし。そのくせなんも話さねぇし。と思ったら急に会わないっていうし。ピアスは開いてるし。…マジで男できたんだと思った。

　…ま、そう言う訳じゃなさそうだし、安心した。

　さっき言ったこと、本当だから。Aがいないの、耐えられる気がしない。

　隙だらけで、チョロくて、意地っ張りで、強がりで。なんでも変に一人で解決しようとしちゃうようなAが俺は好きだよ。

　Aも俺のこと好きなんでしょ？なのに、離れる必要ある？」

　さっきまでとは打って変わって饒舌になってベラベラと話して、私を見つめる樹。

　脳が樹の言葉を処理しきれなくて、言葉を返せずにいると、ずっと私の耳に触れていた手もスルスルと私の手の方に下りてきて、少し骨ばった私よりも大きい手で私の手を包む。

樹「今までの関係は終わりにしよ。俺、本気でAと付き合いたい」

　さっきのベラベラと話したことをまとめたような言い方で言われて、やっと脳が追い付く。

　「樹って、私の事、好き、だったの？」