aversion 2 (ページ15)

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京「一緒に帰ろう、とは言うけど待ち伏せはしないし。しつこいけどAが本気で嫌がることはちゃんとやめるし…。しつこくてめんどくさいように見えて、ちゃんと考えてAのこと落とそうとしてるよ。あいつ」

　最後の部分は聞かなかったことにしても、確かに、待ち伏せだとか、無理やりなにかをするとか。そういうことはしない。あの賭けだって、最初から田中くんが有利な状況で始めたわけでもないし、私にもちゃんと良いことが賭けられていた。

　だから、京本が言うことも、理解はできる。…最後の部分は聞かなかったことにするが。

　「…だとしても、私の気持ちが変わることはないよ」
京「どうだか」
　「なんでみんな私の気持ちが変わると思ってんだか」
京「いや、もう少し変わってるでしょ？」
　「は？」
京「夏祭り、楽しかったと思えたってことは、Aが認めてないだけで、少しは良い方に印象変わってるってことだと俺は思ってるよ？」
　「…いやいやいやいや、ないないない！」

　この間はジェシーくん、そして今回は京本も。なんでそんなことを言うのか。

　愚痴を聞いてくれるなら、ということで帰りながら田中くんの愚痴を話した。田中くんがあんなにオープンだから田中くんのことを好きな女子からの反感を感じていることとか。「そんなことあるの？」なんて言う京本のマイペースさというか、女心への鈍さというか、そういうとこが京本らしさか、なんてまたため息が出た。

　その次の日からも変わらない日が続いた。放課後は文芸部に行って話したり、本を読んだり。徐々に文化祭ムードが高まり、運動部の部活時間も少しずつ変わり、文化祭準備に当てられる時間が多くなった。そのためか、田中くんから「一緒に帰ろう」という誘いの連絡も減った。…休み時間とかは絡まれるけど。

　そして、すぐに文化祭の日はやってきた。クラスの展示の見張り当番の私は文化祭中の２日間、自分のクラスにいることが多いはずだ。

　高地くんのとこの焼きそばを買いに行ったり、北斗くんの部誌みたいなやつを見に行ったり、京本のことを見に行ったり…それだけが楽しみだ。