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俺の言葉に表情を固めたジェシー。「あー…」なんて声を出しながらポリポリと頬を掻く。
ジ「気になったってのは本当」
固まっていた表情を柔らかく崩しながらポツリ、と話し出す。
ジ「あの日さ、慎太郎が言った後にAが来たんだよ。“慎太郎どこ行った？”って。ちゃんと体育館裏行ったはずって話したら“逃げたかと思った”なんて言ってて、」
思い出したように小さく笑う。
ジ「その時に教えてくれたんだよ。慎太郎に話そうとしてた内容。簡単にだけどね。…だからどうなったかなって思って行ってみたら、…まぁ、あんな感じで。」
森「…そっか」
ジ「慎太郎、話、聞いてないんだよね？」
森「聞いてない。あの場所で会ってもないから」
ジ「なら、起きたらちゃんと聞かなきゃ、だね」
森「そう、だな」
ジェシーがあの日、あの場所に来た理由はわかった。疑問が晴れてスッキリしたかわりに新たにモヤモヤとしたものが生まれた。
俺には体育館裏に呼び出してしなきゃいけないような話をジェシーには簡単にしたの？俺はまだその話の内容を知らないのにジェシーは知っているの？
もうすでにいつもの調子に戻って今度遊びに行く予定をヘラヘラと話すジェシーはあの日聞いた話を教えてくれそうにない。…「起きたら聞かなきゃね」なんて言ってたし、まだあの日の話を続けてても教えてくれなそうだけど。
それから変わらず、俺は後悔を引きづったままだった。
授業中、登下校中、樹や北斗、ジェシーといる時、北斗から話が伝わったようで心配をしてくれる高地と合ってる時、どんな時でもふとした瞬間にじわっと「あの時、」と思ってしまう。
卒業式にもAがいないのが寂しかった。その時も「あの時、何も起こらなければ、ここにAがいたのに」なんて考えてしまった。大学生活中も、就職してからも、日常で、そして節目の時に後悔が湧いてくる。
だから、高校を卒業するタイミングでAのところに通うようになった。それまでは、眠ったままのAを見るのが怖かった。でも、そのタイミングで勇気を出さなきゃ、もう会うことがなくなってしまいそうで、卒業のタイミングで会うことを決意した。
だから、最初は会った瞬間にとんでもない寂しさが湧いてきた。けど、慣れるもんで寂しさはありながらもそれが習慣になった。
週に一回は話しに来ることも、ずっと残ったままの後悔も。それが日常になってしまった。
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蝶-アゲハ-(プロフ) - はじめまして！先日このお話に出会い今までにない話の展開で面白くて読ませていただいておりました。少し前に完結されてましたが更新されていたので思わずコメントしちゃいました、、今後の作品も楽しみにしてます！失礼します！ (2022年7月11日 20時) (
レス) @page28 id: baea928cde (このIDを非表示/違反報告)
天羽(プロフ) - ナナさん» コメントありがとうございます！嬉しすぎて飛び跳ねました(笑)主人公ちゃんが起きたこと嬉しいと言っていただけてなんだかうれしかったです！本当に残り数話というところですが、残りもお付き合いいただけたら嬉しいです！よろしくお願いします！ (2022年4月2日 3時) (レス) id: aa4a13b0c9 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - はぁ！主人公ちゃん起きてよかったぁ！嬉しい!!この後どうなるんでしょうか…？全部聞こえてたのかな？ミステリー（？）要素もあり、キュンキュンもありですごく面白いです！更新ありがとうございます!! (2022年4月1日 1時) (レス) @page10 id: 09b5d0a08f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天羽
| 作成日時：2022年3月23日 2時
