『忘れるわけないじゃん』 ページ20
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手を繋いだまま砂浜を歩く。さっきまで泣いていたこともあってか、たまにフラッと砂浜に足を取られるAを支えてちょっと馬鹿にすれば「うざいっ！」なんて弱々しくぺシンと肩を叩かれる。子のテンポ、このやりとり。関係性の名前が変わっても変わらない感じが心地よい。
「あ、そうだ。慎ちゃん、明日って仕事？」
森「いや、休みだけど？」
砂浜を抜けて車に向かって歩いている時、思い出したようにAが俺に聞く。
「予定は？」
森「ないよ」
「ならさ、一緒にちょっと出掛けてくれない？」
森「いいけど…どこに？」
「ジェシーのとこ。一瞬でいいから会いたくて。でも、一人で行くのちょっと勇気必要だったから…。」
森「なんであいつに会うのに勇気いるんだよ。」
「久々だと勇気いるでしょ！」
確かにそれもそうか。俺は休みが合えばすぐ会うくらいよく遊んでる、こいつからしたら約7年ぶり、だもんな。
森「連絡は？してんの？」
「…連絡、忘れてた」
森「大事なこと忘れんな。なら俺から連絡しとく。…何ならあいつにサプライズにしよ」
「サプライズ？」
森「俺らいまだによく遊んでんの。いつも通り、な感じで連絡して当日Aいるっていうサプライズ。よくね？」
「さすが、仲いいね。そうしよ」
森「多分、あいつ休みだと思うし、急でも行けるタイプだから」
ちょうどよく車にたどり着いた。繋いでた手を離して車に乗り込む。そしてその手で携帯を出す。アプリを開いてジェシーの名前を探しながらニヤニヤしてしまう。あいつ、驚くだろうな。
ジェシーに明日のことのメッセージを送り、車を走らせ出す。隣で「星がきれいだった」「また来ようね」なんてニコニコと話すAが横目に見えてつられて口角が上がる。
すぐにジェシーから返事は来た。運転中で見れなかったからAに確認してもらう。
「いいよ！…だって。うわー、ジェシーに会えるんだー！」
森「あいつもなんも変わんないよ。相変わらずうるさい」
「たぶん慎ちゃんに言われたくないんじゃないかな」
森「お前、うざー！」
二人分のうるさい笑い声が車内に響く。深夜の車内とは思えないうるささ。あの頃は、通学路や学校で今みたいな笑い声に合わせてジェシーの笑い声も混ざってた、と思うと懐かしさが浮かぶ。明日、また3人で会える、ということも同時に感じて楽しみが増した。
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蝶-アゲハ-(プロフ) - はじめまして！先日このお話に出会い今までにない話の展開で面白くて読ませていただいておりました。少し前に完結されてましたが更新されていたので思わずコメントしちゃいました、、今後の作品も楽しみにしてます！失礼します！ (2022年7月11日 20時) (
レス) @page28 id: baea928cde (このIDを非表示/違反報告)
天羽(プロフ) - ナナさん» コメントありがとうございます！嬉しすぎて飛び跳ねました(笑)主人公ちゃんが起きたこと嬉しいと言っていただけてなんだかうれしかったです！本当に残り数話というところですが、残りもお付き合いいただけたら嬉しいです！よろしくお願いします！ (2022年4月2日 3時) (レス) id: aa4a13b0c9 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - はぁ！主人公ちゃん起きてよかったぁ！嬉しい!!この後どうなるんでしょうか…？全部聞こえてたのかな？ミステリー（？）要素もあり、キュンキュンもありですごく面白いです！更新ありがとうございます!! (2022年4月1日 1時) (レス) @page10 id: 09b5d0a08f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天羽
| 作成日時：2022年3月23日 2時
