7 ページ7
.
北「え？なんで一緒じゃないの？」
「なんでって、そういうときもあるよ。」
北「…なんかあったでしょ」
「ないよ」
北「いや、あるね」
それ、と北斗が指さすのは今さっき私が拾ったペットボトル。
北「Aがあったかいの飲むときは体調とか、メンタルとかがよくない時とか……まぁ、あの日っぽいから、気にしててって慎太郎に言われてるから」
…あいつ、なんでわかってんだよ。一回も言ったことないのに。というか、言えるわけない。女の子の日だとか、言う訳がないのに察して気にかけててくれたってこと？
北「分かってんのに、この状態で慎太郎がほっとくとは思えない。だからなんかあったかと思って。」
何かあったか、と言われれば何もない。ただ私がグルグル、モヤモヤしているだけ。でも、なぜか頷いてしまった。
北「そう、…なら、一緒来る？」
「え？」
北「教室戻るとこだし。ジェシーもいいでしょ？」
ジ「そりゃ、もちろんだけど」
ジェシー君の返答を聞くと同時に私を引っ張っていく北斗。…こいつこんなんだっけ？
入ったことのない教室に入るのはすごく緊張した。空いてた席に座り、ぬるいココアを飲めば少しずつ気持ちも体調も落ち着いていった。
ジ「ねぇ、二人は仲いいの？」
北「仲いいっていうか、付き合いは長いよね」
「…小学生の時か？」
北「たぶんそのくらいからじゃない？」
ジ「へー…ほくちゃん、お友達いたんだね」
北「なめてるだろ」
何年生のときから、とか聞かれたら答えられないけど、そのくらい北斗とも長い付き合いの友達。中学の時なんて3人でいるのが普通の時もあった。…高校でクラス別になってなんとなくそのまま少し離れてたけど。
北「で、Aはなんで泣きそうだったの？また慎太郎と喧嘩でもした？」
「別に、喧嘩してないよ。泣きそうだったのもなんでかわかんないし、」
北「…まぁ、落ち着くまでいなよ」
ふと思い出す。私が慎太郎と喧嘩するといつも北斗が落ち着くまで話聞いてくれたり、近くにいてくれたりしたな。
「…ありがと」
北「にしてもあの過保護な慎太郎が、珍しい。A体調悪いと本人より先に気付いてたくらいだったのに。」
そういえば、私が女の子の日だと今日も買ったこのココアを何も言わずにくれたこととか、痛くてしんどい時何も聞かず保健室連れてってくれたりとか、風邪ひいた時だって先に気付いてくれてた。思い出すたび心の片隅が冷たい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1135人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あまは(プロフ) - ありありさん» コメントありがとうございます！ドキドキしていただけてうれしいです！！話も更新ペースもゆっくりかとは思いますが、頑張ります! (2021年11月4日 2時) (
レス) id: aa4a13b0c9 (このIDを非表示/違反報告)
ありあり(プロフ) - もうドキドキが止まらなく、すぐにお気に入り登録いたしました！作者様の文才すごい！更新楽しみにしてます！応援しております！ (2021年11月3日 18時) (レス) id: 991e71cbdc (このIDを非表示/違反報告)
あまは(プロフ) - かなさん» そう言っていただけてすごくうれしいです！ありがとうございます！ゆっくりになるかとは思いますが、頑張ります！！ (2021年10月23日 1時) (レス) id: aa4a13b0c9 (このIDを非表示/違反報告)
かな - 素敵な作品を見つけてしまった……！更新楽しみにしてます！頑張ってください^ ^ (2021年10月21日 23時) (レス) id: a4d97af994 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：天羽
| 作成日時：2021年10月8日 3時
