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ジ「今日、大変だったんじゃない?」
北斗いないならしょうがない。教室戻ろうかな、と考えていたら聞きなれた優しい声で言われる。今日の大変なことなんて、一つしかない。
「ジェシーは?聞かないの」
ジ「聞かなくてもわかるじゃん。付き合ってないでしょ?なんかの勘違いなんでしょ?」
「…それは、私の好きな人を知ってるから?」
ジ「…いや、普通に見てて樹とAが付き合うとか想像できないし」
「そんなことがあったら明日雪降る」なんて笑う。そのセリフ全部がジェシーには悪いけど、本当なら慎太郎から言われたかった言葉で。その出所が違うのがすごく悲しくなってしまった。
ジ「なんでそんな顔するのー。」
「…ごめん」
でもそのままそれを伝えることは申し訳なさ過ぎてできなかった。その言葉をくれたのはジェシーで、慎太郎が良かったなんて言うのは私の勝手で。…でもその言葉が嬉しかったのも事実だから、謝る言葉しか出てこなかった。
ジ「慎太郎は?あいつも笑ってたんじゃない?一番信じないんじゃない?」
「ちゃんと信じてすねてた。」
ジ「え!?慎太郎が!?」
「…そうだよ。」
ジ「ごめん、だから…」
「…ん?」
ジ「…目、赤いから。また泣いたのかと」
「まぁ。…すっごい悲しかったけど、京本君に聞いてもらって…今はイライラだけだから」
ジ「大我に?」
「京本君がすねてる慎太郎のとこに私連れてったから、気にしてくれてたんだって。だからそのまま話したの。あと北斗に愚痴ろうかと思ったけど、いないもんなー」
ジ「……、」
「ジェシー?」
ジ「…あ、北斗ならギリギリまで戻ってこないからね!!」
あまり見せない真面目な、笑顔の抜けたような顔をするから心配になって名前を呼べば、すぐにいつもの調子に戻る。あの一瞬はなんだったのか、ひっかかるけど、いつもの表情をするジェシーに聞くことはなんだかできなかった。
そんなことをしていれば予鈴が鳴る。…結局お昼食べ損ねたな。
ジ「戻んないと始まるよ?授業」
「…しょうがないから、戻る。ありがとね。また来る。北斗に愚痴りにだけどね」
ジ「はいはい。どっか行きそうだったら引き留めとく!」
「助かる。引き留めといて」
教室から出ながら顔だけ向けて手を振る。その時見えた顔がまたいつもと違うような顔で、なにがその顔にさせているのか、…それとも私がさせてしまったのか。
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あまは(プロフ) - ありありさん» コメントありがとうございます!ドキドキしていただけてうれしいです!!話も更新ペースもゆっくりかとは思いますが、頑張ります! (2021年11月4日 2時) (レス) id: aa4a13b0c9 (このIDを非表示/違反報告)
ありあり(プロフ) - もうドキドキが止まらなく、すぐにお気に入り登録いたしました!作者様の文才すごい!更新楽しみにしてます!応援しております! (2021年11月3日 18時) (レス) id: 991e71cbdc (このIDを非表示/違反報告)
あまは(プロフ) - かなさん» そう言っていただけてすごくうれしいです!ありがとうございます!ゆっくりになるかとは思いますが、頑張ります!! (2021年10月23日 1時) (レス) id: aa4a13b0c9 (このIDを非表示/違反報告)
かな - 素敵な作品を見つけてしまった……!更新楽しみにしてます!頑張ってください^ ^ (2021年10月21日 23時) (レス) id: a4d97af994 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天羽 | 作成日時:2021年10月8日 3時