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「樹…」
樹「で、どうなの？」
「言えるわけないでしょ」
樹は去年から同じクラスだし、慎太郎とも仲がいいけど、言えないよね。話を終わらせたしどっか行くかな、と思っていれば樹は私の隣の空いていた席にドカッと座る。
樹「お前はいいの？」
「なにが？」
樹「なにがって…」
言葉の続きを待っているのに何も言わない樹。
樹「…はぁ、」
「ため息？いいのって何のことだよ」
樹「お前も頑張ってんのね」
「なに？馬鹿にしてる？」
頭をポンポンと叩くように撫でられる。元からスキンシップ多い人だし、慎太郎で慣れてるから気にならないんだけど、ずっとやられるのはうざい。リズムよく叩き続けるその手を振り払おうとすれば後ろからグッと肩を組まれる。目の前では驚いた顔で樹が手を引っ込めている。ということは。
「慎太郎。」
森「樹と二人なんて珍しいじゃん。何の話してたの？」
「別に、…戻ってくるの早くない？」
森「そこの自販機ですんじゃった。ね。」
「慎太郎君、ありがとう。」
花の手にはよく飲んでいる紅茶。確かにそれ近くですむね。
突然、頬にヒヤッとしたものが触れる。
「ひっ！」
ビクッとしてしまえばゲラゲラと笑う樹。こいつ本当に私の不幸好きだな。いつもゲラゲラ笑う。その声をBGMに頬に触れたものの正体を見る。
森「これAに」
「なんで、」
森「色々とさ。ね？」
慎太郎の手には私の好きなアイスのパックのココア。それを私に向ける慎太郎は小さくウインクを送ってきた。…結局買ってきてくれたんだ。
「ありがと、…てか、そろそろ離してくれない？」
お礼とともに言えば慎太郎はぶつぶつ言いながら離れていく。
樹「ねぇ、明日一緒に昼食わない？」
「は？なんで？」
樹「花ちゃん、いい？」
「いいよ？ね、A」
意外とマイペースな花はいつの間にか弁当を広げていて、食べながら簡単に了承してしまう。
「なにも企んでないよね？」
樹「俺を何だと思ってんの?楽しそうだし、たまにはって思っただけ」
「本当に？」
樹「本当」
突然すぎていまだに疑っているけど他に断る理由もなくOKをする。そうなれば次にうるさいのは慎太郎で「俺も！」なんて騒ぎ出す。慎太郎にも二人でOKを出せば大げさに喜んでいた。…慎太郎、本当は花がいればそれでいいくせに。私は明日の騒がしさに頭を抱えた。
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あまは(プロフ) - ありありさん» コメントありがとうございます！ドキドキしていただけてうれしいです！！話も更新ペースもゆっくりかとは思いますが、頑張ります! (2021年11月4日 2時) (
レス) id: aa4a13b0c9 (このIDを非表示/違反報告)
ありあり(プロフ) - もうドキドキが止まらなく、すぐにお気に入り登録いたしました！作者様の文才すごい！更新楽しみにしてます！応援しております！ (2021年11月3日 18時) (レス) id: 991e71cbdc (このIDを非表示/違反報告)
あまは(プロフ) - かなさん» そう言っていただけてすごくうれしいです！ありがとうございます！ゆっくりになるかとは思いますが、頑張ります！！ (2021年10月23日 1時) (レス) id: aa4a13b0c9 (このIDを非表示/違反報告)
かな - 素敵な作品を見つけてしまった……！更新楽しみにしてます！頑張ってください^ ^ (2021年10月21日 23時) (レス) id: a4d97af994 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天羽
| 作成日時：2021年10月8日 3時
