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朝、いつも通り慎太郎を家の前で待つ。カバンにつけた樹からもらったイルカのストラップ。慎太郎にも樹と同じ手で引っ掛けてやろう。企みながらイルカをつついていればガチャっとドアの開く音がする。
「おはよ」
森「…おはよ」
ちょっと寝ぐせがついて眠そうな慎太郎。そのまま歩き出す。
「ね、見てこれ!」
いきなりイルカを触らせたら怪しまれそうだから、昨日撮った写真を見せる。
「慎太郎が行った水族館、やっぱり行きたくて昨日行ったんだよねー。クラゲ、すごかったね!あと、でっかい水槽もすごかったしー」
写真を見せていれば昨日のことを思い出して口が止まらなくなる。中々返事が来ないから「反応悪いなー」と携帯から顔を上げる。そこには、唇を少しとがらせて、機嫌悪そうにしてる慎太郎。
「慎太郎?」
森「…ごめん、俺、今日先行く」
「え、ちょっと?」
スタスタと早足で前を歩く慎太郎。なんとなく、その背中を追いかけることはできなかった。
…高校入ってからはじめてかもしれない。一人で登校するの。いつもより少し長く感じた通学路。長くは感じたけど、時間はいつもくらいだった。
樹「…おはよ、…慎太郎は?」
「おはよ。なんか、先行くって行っちゃった。途中までは一緒に来たんだけど」
樹「へー…めずらし」
廊下で会った樹と一緒に教室に入る。自分の席に座って荷物を整理していれば、樹が私の席に来る。樹も今さっき教室来たよな?すぐすぎない?
そのまま昨日の水族館のことを話す。…やっぱり慎太郎にイルカのビリビリやりたかったな。
「おはようー。ね、A、樹くん」
「おはよ、花。どうかした?」
「あのさ、…二人、付き合ったの?」
突然、花から発せられた言葉に驚きすぎて声が出ない。…二人は付き合ったの?二人って、私と、樹?…だよな、だってその名前呼んでから言ったし。でも、なぜ?どこにその要素が?
私が混乱している間にでっかい声で樹が否定する。
樹「なんで俺がこれと付き合う訳!?ありえねーから!なにその勘違い!」
「…今、これって言った?」
とんでもなく失礼な否定の仕方。でも、まぁ、ありえないのは本当だし。ちょっと納得いかないままだけど、それよりも勘違いされてる方が気になるから二人で追及する。
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あまは(プロフ) - ありありさん» コメントありがとうございます!ドキドキしていただけてうれしいです!!話も更新ペースもゆっくりかとは思いますが、頑張ります! (2021年11月4日 2時) (レス) id: aa4a13b0c9 (このIDを非表示/違反報告)
ありあり(プロフ) - もうドキドキが止まらなく、すぐにお気に入り登録いたしました!作者様の文才すごい!更新楽しみにしてます!応援しております! (2021年11月3日 18時) (レス) id: 991e71cbdc (このIDを非表示/違反報告)
あまは(プロフ) - かなさん» そう言っていただけてすごくうれしいです!ありがとうございます!ゆっくりになるかとは思いますが、頑張ります!! (2021年10月23日 1時) (レス) id: aa4a13b0c9 (このIDを非表示/違反報告)
かな - 素敵な作品を見つけてしまった……!更新楽しみにしてます!頑張ってください^ ^ (2021年10月21日 23時) (レス) id: a4d97af994 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天羽 | 作成日時:2021年10月8日 3時