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樹「なぁ、これ見て」



 見慣れた道を慎太郎ではなく樹と一緒に歩いてる。違和感がすごい。突然ニヤニヤした顔の樹が目の前にストラップ?を見せてきた。白と水色で色違いになってるイルカのもの。



 「かわいいじゃん。…なに、こういうの好きなの?」
樹「どっちのがかわいいと思う?」
 「どっちって…こっち?」



 なんとなく直感で白のほうを指さす。そうすればグイっと目のまえに白のほうが近づいてくる。



樹「やるよ」
 「…え、なんで。」
樹「記念だよ記念」
 「えー…ありがと。」
樹「おそろいな」
 「気持ち悪」



 こいつとおそろいなんて、と思いながらもちょっとうれしくて笑ってしまう。



樹「腹のとこ押すと鳴き声鳴るんだって。押してみ?」
 「なに?それに惹かれて買ったの?似合わな」
樹「お前なんでそんなに俺にあたり強いの?いいから押してみろって」



 ちょっと気になって、促されるままに押してみる。すると鳴き声みたいなものがなる…なんてことはなく、ビリッと指先に痛みが走る。



 「っ!?なに!?」
樹「…ほんとお前最高」



 隣で歩くのをやめて腹を抱えてしゃがみこんで笑う樹。私も立ち止まり、痛みの正体を確認するためにもう一度イルカのお腹を押す。ビリッとした痛み…電流?



樹「ビリビリペンみたいなのあるでしょ?あれみたいなやつ!」
 「…これするために買ったの?」
樹「遊べるでしょ?」
 「それはこれを使って?それとも私で?」
樹「ノーコメントで」



 なんか悔しい、と思いながらいつまでも笑う樹を叩く。はぁー…と言いながら目じりにたまった涙をぬぐいながら立ち上がる。涙出るほど笑わないでよ。



樹「ほんと面白いわお前。」
 「そんなの思ってるの樹と京本君くらいだよ」
樹「きょももお前で遊ぶもんな」
 「やっぱ私で遊んでんじゃん」



 また歩き出す。「動画とっときゃよかった」なんて呟くからもう一度叩く。痛いなんて言いながらも笑うし、どうせ本当は痛いとも思ってないんだろうな。そんな力も入れてないし。

 家の近くまで来たその時、後ろから自転車のベルが聞こえた。それと同時くらいに何かがぶつかって、よろける。塀に背中ぶつける。何事?と思いよろけた拍子に下がった視線を上げる。すると目のまえに影。樹がいた。樹の顔こそ進行方向を向いてるけど体は私の方を向いていて、…すごく近い。

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あまは(プロフ) - ありありさん» コメントありがとうございます!ドキドキしていただけてうれしいです!!話も更新ペースもゆっくりかとは思いますが、頑張ります! (2021年11月4日 2時) (レス) id: aa4a13b0c9 (このIDを非表示/違反報告)
ありあり(プロフ) - もうドキドキが止まらなく、すぐにお気に入り登録いたしました!作者様の文才すごい!更新楽しみにしてます!応援しております! (2021年11月3日 18時) (レス) id: 991e71cbdc (このIDを非表示/違反報告)
あまは(プロフ) - かなさん» そう言っていただけてすごくうれしいです!ありがとうございます!ゆっくりになるかとは思いますが、頑張ります!! (2021年10月23日 1時) (レス) id: aa4a13b0c9 (このIDを非表示/違反報告)
かな - 素敵な作品を見つけてしまった……!更新楽しみにしてます!頑張ってください^ ^ (2021年10月21日 23時) (レス) id: a4d97af994 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天羽 | 作成日時:2021年10月8日 3時

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