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 ジェシーに腕を引かれて誰もいない教室に入る。ジェシーが先に座ったから、なんとなく隣の席に腰かける。



ジ「…保健室じゃなくてよかった?」
 「…え?」
ジ「ぶつかっちゃうとき、いつもそういう顔だから…やっぱり痛いんじゃないかって。俺、デカいし。」
 「痛くないから、大丈夫」
ジ「そっか、それならいいんだ」



 そこから、何かを聞くわけでもなく。無機質に鳴る授業が始まる合図を聞いた。



 「…何も聞かないの?」
ジ「んー…気になるけど、無理には聞かないよ」



 その一言がすごく優しくて。でも、私のことを見るその顔に「しんぱい」と書いてあるようで…それを見ていたらプツンと何かが切れたようにまた視界が滲んでのどで言葉がつまった。



 「私、慎太郎のこと好きだ、」



 たくさんの言葉がのどにつまって、その中から唯一出てきた言葉は一番ストレートなものだった。それと同時に視界がボロッと崩れた。



 「さっき、急に分かった。ジェシーの言う通りだった」



 しゃくりあげながら言えば優しく背中をさすってくれる。慎太郎に触れられたときとも樹に絡まれたときとも違うあったかさ。



 「出かけた話なんて聞きたくない、話してるとこ見たくない、私といる時と違う慎太郎なんか見たくない。」

 「でも、そんなの、慎太郎知らないから、いつも通りで。それもやなの…。私、好きな人いるって聞いたとき、もう好きだったんだ…。」



 今までのモヤモヤに、感じてた冷たさとか、全てに名前がついていく。



 「私、嫉妬してた、やきもちしてた…なのに、わかんなかった、」



 泣きじゃくってまとまりのない話を続ける私の背中をずっと優しくさすって、髪に指を通しながら撫でてくれる。小さく聞こえる相槌に余計に涙が出てきてしまう。

 しばらくして、少し落ち着いたころ、小さな声で「今までは?」なんて聞かれる。



ジ「慎太郎、彼女いなかったの?」
 「いたよ、でも、全部相手の子からだったっていうし…本当に付き合ってたのか、って思うくらい、なんかしてる感じなかった」
ジ「そうなんだ。…その時は?嫉妬とか、なかったの?」
 「あったのかな…あ、でも、」



 ふと思い出す歴代の彼女たち。その子たちの隣にいる慎太郎はどこか冷めたようで、…うぬぼれかもしれないけど、私といる時のほうが楽しそうだった。すごく嫌な言い方をすれば、「私の隣に帰ってくる」そんな気持ちがどこかにあったのかもしれない。

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あまは(プロフ) - ありありさん» コメントありがとうございます!ドキドキしていただけてうれしいです!!話も更新ペースもゆっくりかとは思いますが、頑張ります! (2021年11月4日 2時) (レス) id: aa4a13b0c9 (このIDを非表示/違反報告)
ありあり(プロフ) - もうドキドキが止まらなく、すぐにお気に入り登録いたしました!作者様の文才すごい!更新楽しみにしてます!応援しております! (2021年11月3日 18時) (レス) id: 991e71cbdc (このIDを非表示/違反報告)
あまは(プロフ) - かなさん» そう言っていただけてすごくうれしいです!ありがとうございます!ゆっくりになるかとは思いますが、頑張ります!! (2021年10月23日 1時) (レス) id: aa4a13b0c9 (このIDを非表示/違反報告)
かな - 素敵な作品を見つけてしまった……!更新楽しみにしてます!頑張ってください^ ^ (2021年10月21日 23時) (レス) id: a4d97af994 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天羽 | 作成日時:2021年10月8日 3時

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