もう親友なんて思わない

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朝、目覚ましが鳴る前より早く起きた私。

睡魔が襲って来る筈が、何故だかはっきりと脳が起きていた。

「おはよ」とぶっきらぼうに挨拶をして、家族との短い言葉を交わす。

「最近は物騒ねぇ…」という母の独り言に、こっちも物騒だよ、と心の中で相槌をした。

いつか社会的に占ツクでの争いがピックアップされて有名になりそうだ。

私と彼女以外にも、同じような境遇の人は居そうだから。

軽く朝食を済ませ、歯磨きをして顔を洗う。

「……酷い顔」

鏡に映った自分を見て、私はか細く呟いた。

濡れた手でペタペタと鏡に触れる。

雫がツツツ…と鏡を伝った。

私の目の下にはいつのまにかクマができていた。

前まではなかったのに。

洗面所の近くのタオルをそっと取って、鏡を吹いた。


「行ってきます」

誰にも届かない声で呟いて、釘にかかっている鍵を取る。

扉を開けて、自転車のロックを外した。




「また一日が始まる……」

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