小さな夢のカケラ

七つの大罪　バン　男主 ページ18

記憶 バンside

俺と団長、王女さん、ディアンヌ、キング、あと師匠で旅をしている時だった。

「おいっ！あそこで倒れてるの人だよなっ！？」

「どこだ、ホーク！」

「ほれ！あそこだよ！」

！！あれは………

「翔太！！」

姿を確認した俺は、すぐさま倒れている人、翔太にかけよった。他の奴らも俺の後をついてきた。

「おいバン！知り合いなのか！？」

「団ちょ……こいつは翔太。俺が聖騎士どもに捕まるまで一緒にいたやつだ」

そして………俺の好きな奴で恋人だった。

エレインは大事な妹的な存在だったんだ。こんなこと言ったらキングに何言われるかわかんねぇけど

「！じゃあ………エレインを……」

「……知ってる。一緒に話したりもしてたしな」

「じゃ、そいつ連れてくか！」

「！！団ちょ良いのか！！？」

「バンの大事な奴なんだろ？？なら連れて行かないとな！」

「助かるぜ団長♪」


その後、翔太が目を覚ましたのは一週間後だった

「おーい！翔太が目を覚ましたぞーー！！」

「本当か師匠！！……！翔太……」

「助けていただき有難うございました……」

…………なんだ……いつもの翔太じゃない……

「ここに来る前翔太と話をしていて分かったんだが、翔太の奴、昔の記憶が全くないみたいだ。勿論………バンの事も」

「！！」

俺を……覚えていない…………記憶喪失………

「すみません、バンさん………断片的に誰かの事は頭の中に浮かんでくるのですが………何も覚えていないんです」

「……いいって♪また会えただけでもうれしいし。ゆっくりで構わねーからさ。でも俺の事はバンって呼べよ♪」

せめて呼び方ぐらいは前と同じにしたいし？

「！……はい！バン！」


それから翔太を新たに仲間に入れて旅は続いた。だが、翔太の記憶は未だに戻っていない。


「キング〜、トランプしよー」

「簡単なのね。僕難しいの出来ないから」

「いいよ〜♪」

「俺も入れろよ〜翔太〜」

「あ、バン！勿論いいよ〜」

仲は前のように良い。一緒に買い物も行ったことあるしなぁ

……でも今の翔太は俺の知ってる、俺の恋人の翔太じゃない

今でも好きだ。けど……今のあいつも笑ってるから。わざわざエレインの事も、過去も思い出させてまで恋人に戻りたいとは思わねぇ

あの時は良かったが、今また告白して拒絶なんてされたら………俺らしくもなく言えない

だから、待ってる。死んだわけじゃないしな。気長に思い出すのを待ってるぜ…？

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