翻弄的常習犯。-弐-【終わりのセラフ】

其ノ漆 地下都市ヘノ来訪者-07- ページ15

新宿襲撃戦から＿＿


＿＿７日後。





朝。

優一郎のいる呪術資料室に向かって、人の少ない道を通る。
まる1日私が新宿にいなかったからって、騒ぎになることは無い…が、その1日の間にもしなにかあったのなら話は別だ。

なにも無かったことを願って、Aは呪術資料室へ急ぐ。





「＿＿で、どうだった？」


が。

そう簡単に事は進んでくれないらしい。



「あー…やっぱバレてたか」


「勝手にひとりで吸血鬼の都市のりこんでよく帰って来れたなぁ。
なんだ、その服装。」


Aの一歩先の暗闇から現れたのはグレンだった。
嫌味ったらしく言うと、Aの服装を見て顔を思いっきり顰める。


「吸血鬼に貰った。第三位始祖とかいってた」


「めっちゃ高位な貴族じゃねぇか。
さっさといつもの軍服に着替えろ。」


「へいへーい。」



Aはだるそうに返事をしてグレンについていく。
あずけていた軍服を返してもらうためだ。



「っと、その前に、優ちゃんの身になにかあったり…」


「してねーよ。おまえ昔っから優に対して過保護すぎんだよなー…」


「家族だから。」


「そーかいそーかい、そういう所だけ素晴らしい程に似てるよな。あいつと。」




グレンの指さす先には優一郎がいた。
Aを瞳にとらえた瞬間勢いよくこちらに走ってくる。






「A！おまえまる1日どこいってたんだよ！」



グレンの言ってた意味がよく分かった。









.









【其ノ漆 地下都市ヘノ来訪者】

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