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そばかりんとう ページ20

「わぁああ!!」

店に入るなり、探偵の青年は声を上げ、目を輝かせました。

厳密に云うと、凄い糸目なんで輝いているかは分かりませんが、兎に角凄く嬉しそうです。

並んである和菓子を、順番に見ていきます。

エリスちゃんは、さっき迄見ていた光景には興味がないのか、森先生の近くから離れません。

「では森先生、栗子を呼んで来ますので、少々お待ち下さい」

森先生に恭しく礼をした朔也さんは、続いて着物の銀髪の男の人と青年に向き直りました。

「店内を見てお待ち下さい」

朔也さんがそう云うと、銀髪の男の人が深く頷きました。

青年は、和菓子に夢中で全く気付いてません。

朔也さんはそれを確認して、店の奥に行きました。


残された森先生と銀髪の男の人は、異様な雰囲気を纏っています。

エリスちゃんも、青年も、無言でした。

しばらく沈黙は続きました。

「……この店は、ソッとしておいてくれませんかねぇ、福沢殿」

口火を切ったのは、森先生でした。

互いの顔も見ず、福沢殿と呼ばれた銀髪の男の人が返します。

「探偵社は抗争等を終息させる側だ。貴君らポートマフィアが何もしなければ、我々もしない」

芯のある、しっかりした声です。

対して、森先生が自嘲気味な笑みを浮かべました。

「この店は、中立地帯です。嘗ての私の病院と同じ様に」

福沢さんの顔が、一瞬だけピクリと動きました。

店の空気が、ピンとはりつめています。


「お待たせ〜、出来上がりだよ〜」

場にそぐわない、陽気な声が響きました。

栗子さんです。
ジーパンにセーターという格好で、朔也さんの後ろに着き、小さな袋を持って立っています。

「栗子!!」

エリスちゃんが、栗子さんに駆け寄りました。

「あ、エリスちゃん!!出来たよ、かりんとう」

自信の腰程の身長の幼女を軽々と片手で抱き上げると、もう一方の手に持っていた、かりんとうの入った袋を手渡しました。

女の子同士仲良くやってる中、朔也さんが、森先生と福沢さんを交互に見つめました。

「お二人、どうかしましたか?」

二人は、お互い目を合わせ、「いいや」「何にも無いですよ」と云いました。

「そうですか……痛」

朔也さんが右の二の腕を押さえました。
痛そうに顔を歪ませて、二の腕を睨みます。

どうせ栗子さんに蹴られでもしたんでしょう。

「されど兄はめげない」

いい加減諦めたらどうです?

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ユキ(プロフ) - 応援してます! (2020年10月2日 1時) (レス) id: 92966b4d55 (このIDを非表示/違反報告)
2丁目のひきこもり(プロフ) - 心愛さん» ありがとうございます!!私も書いてる最中えづらこさんの妨害を受ける事がありますww終わる終わる詐欺でよかたぁああああa(蹴 (2018年9月20日 19時) (レス) id: e7f710c5d0 (このIDを非表示/違反報告)
心愛(プロフ) - とても面白いです!話が全然関係ないのですが、栗子と聞くと銀魂の、片栗虎がでてくr((蹴 (2018年9月18日 16時) (レス) id: 61e72eddf1 (このIDを非表示/違反報告)
2丁目のひきこもり(プロフ) - さくっとチョコレゐトさん» ありがとうございます!!店主二人の和やかな感じ、私も好きです。更新頑張ります!! (2018年1月21日 10時) (レス) id: e7f710c5d0 (このIDを非表示/違反報告)
さくっとチョコレゐト(プロフ) - すごい好きです。このゆるい感じが何ともたまんないです。お気に入りしました!楽しみにしてます! (2018年1月21日 0時) (レス) id: 17f3b0bb3a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:2丁目のひきこもり x他1人 | 作成日時:2017年11月21日 21時

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