検索窓
今日:9 hit、昨日:1 hit、合計:17,399 hit

そばかりんとう ページ17

いつも通り、朔也さんが店番していた夜の事です。

「リンタロウ!!早くしてよ。洋服を買い終わったら此処に来ていいんでしょ!!」

幼い声です。少女の声が、路地裏に響いています。

朔也さんは、その声を聴くと、店の扉を開けて外へ行きました。

「いらっしゃいませ、森先生、エリスちゃん」

森先生、と呼ばれた白衣を纏った中年の男性が、右手を挙げて答えました。

にしても、朔也さん。ちゃんと接客できたんですね。今までこの作品では重度のシスコンぶりしか、疲労していなかったもんですから、出来ると思ってなかったですよ。

「やぁやぁ朔也さん。わざわざ出迎えなんて、そんな気を遣わなくていいのに」

「そんなこと云わないでください、お得意様なんですから」

朔也さんが深々と頭を下げると、森先生の隣にいた少女が朔也さんの肩を叩きました。

「ねぇねぇ朔也!!今日栗子はいないの?」

「ごめんねエリスちゃん。栗子はもう寝ちゃったと思うな」

赤いドレスの可愛い少女の目線に合わせるように、屈んで語りかける朔也さんです。

シスコンの気配なんて、まるで感じません。

「夜ですし、寒いでしょう?中にどうぞ」

「すまないねえ、お邪魔するよ」

森先生とエリスちゃんは、<葉菓子堂>に入っていきました。

「今日は病院宛てですか?」

「いいや、個人的にエリスちゃんに」

森先生は、店内をまわっていたエリスちゃんを見ました。

ん?一瞬顔が崩れた……?

いや、見間違えですよね。こんなキリッとしたお方なんですから。

「リンタロウがね、買い物に付き合ったらご褒美に此処のお菓子を買っていいって!!」

嬉しそうに、エリスちゃんが云いました。ふわりと、艶やかな金髪が揺れました。

朔也さんは、そんなエリスちゃんをみて、柔らかな笑みを漏らしました。

「ご褒美なんて、うれしい限りです。うちの栗子の腕があってですが」

忘れないシスコン魂に乾杯。

そばかりんとう→←揚げまんじゅ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.3/10 (42 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
28人がお気に入り
設定タグ:文スト , 短編集
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ユキ(プロフ) - 応援してます! (2020年10月2日 1時) (レス) id: 92966b4d55 (このIDを非表示/違反報告)
2丁目のひきこもり(プロフ) - 心愛さん» ありがとうございます!!私も書いてる最中えづらこさんの妨害を受ける事がありますww終わる終わる詐欺でよかたぁああああa(蹴 (2018年9月20日 19時) (レス) id: e7f710c5d0 (このIDを非表示/違反報告)
心愛(プロフ) - とても面白いです!話が全然関係ないのですが、栗子と聞くと銀魂の、片栗虎がでてくr((蹴 (2018年9月18日 16時) (レス) id: 61e72eddf1 (このIDを非表示/違反報告)
2丁目のひきこもり(プロフ) - さくっとチョコレゐトさん» ありがとうございます!!店主二人の和やかな感じ、私も好きです。更新頑張ります!! (2018年1月21日 10時) (レス) id: e7f710c5d0 (このIDを非表示/違反報告)
さくっとチョコレゐト(プロフ) - すごい好きです。このゆるい感じが何ともたまんないです。お気に入りしました!楽しみにしてます! (2018年1月21日 0時) (レス) id: 17f3b0bb3a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:2丁目のひきこもり x他1人 | 作成日時:2017年11月21日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。