Story58 「歩く死体」 彩side ページ39
彩「じゃ本物ラングのDNAは?」
私がそう言うと、上杉君が舌打ちした。
上杉「まずいよな」
何が?
上杉「今いるのがニセ・ラングだとすると、本物ラングは、死んでいる可能性が大きい。一週間も前に死んだ人間のDNAなんて、もうこの世にないだろ。部屋だって掃除しちゃってるだろうしさ。死体があればそこから取れるけど、それもどこにあるかわからないし」
そっか・・・・
二人を比べるんだから、二人分が揃わないと、どうしようもないよね。
小塚「遺品が、まだそのままだとすれば、そこに何か残ってるかも」
小塚君の意見で、私たちは、ミシアの部屋に向かった。
まだ夜中だったけれど、時間がもったいなくて、朝まで待てなかったんだ。
あ、ちなみに神崎さんは、部屋に戻っちゃったんだよね。興味ないって。
ミシア「なぁに、こんな時間に」
ミシアは、ドアの向こうからそう言った。
ミシア「私、寝間着なのよ。こんな格好じゃ、人とは会えないわ」
私は改めて、自分を見下ろした。
パジャマのまま、だった。
これ・・・女の子として、恥ずかしいことかもしれない。
若武「あの、急いで聞きたいんですが、DNA鑑定でニセモノを証明できそうなんです。それでラングさんのDNAを検出できるようなものを探しているんですが、髪とか、ありませんか?」
若武の言葉を黒木君が通訳すると、ミシアは、残念そうなため息をついた。
ミシア「神はないわ。ラングは、ハゲていたのよ」
あら。
ミシア「服や下着も、毎日クリーニングに出していたし、事故の時の服や、持っていたカバンなんかは、汚れがひどかったので病院で始末してもらっていしまったし」
ないんだ・・・
ガッカリしながら私は、ふと疑問に思った。
だってここにいるのがニセ・ラングだとすれば、本物は、さっき上杉君が言った通り、確かに死んでいるということになる。
ミシアの話では、救急車で運ばれたってことだった。
それなのに、なぜ、病院にその記録がないんだろう。
上杉君たちが、調べ漏らしたんだろうか。
彩「あの、ラングさんの遺体は、今どこにあるんですか」
私の質問に、ミシアはドアの向こうから答えた。
ミシア「聖マーガレット病院よ。お葬式まであずかってもらっているの」
私が振り向くと、上杉君がきっぱりと首を横にふった。
上杉「なかった」
じゃ、どこに行ってしまったんだろう。
死体が歩いて隠れるはずはないし。
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月姫(プロフ) - ユユ さん» お気遣い、ありがとうございます! (2018年3月26日 0時) (レス) id: 1d969ac1e2 (このIDを非表示/違反報告)
ユユ - やっぱり、面白いですね!最高です!!更新頑張ってください!でも、けして無理は、しないでくださいね! (2018年3月26日 0時) (レス) id: c72fefc4c8 (このIDを非表示/違反報告)
月姫(プロフ) - ユユさん» いつもコメントありがとうございます!励みになります! (2018年3月19日 21時) (レス) id: 0b4b9a8bd2 (このIDを非表示/違反報告)
ユユ - 続きが、とても気になります!更新頑張ってください!次の更新、楽しみに待ってます!! (2018年3月19日 21時) (レス) id: c72fefc4c8 (このIDを非表示/違反報告)
月姫(プロフ) - ほんと、亀更新ですみません! (2018年3月3日 8時) (レス) id: 0b4b9a8bd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月姫 x他1人 | 作成日時:2017年10月23日 14時