公安少女は、探偵チームに入る？シンデレラ特急編

Story45　「依頼」　彩side ページ26

ラング？「大丈夫かい、ミシア。あまり興奮するからだよ。今日は早く休みなさい」


ミシアは顔を上げ、男の人を睨む


ミシア「出て行って」


男の人は肩をすくめ、カナールさんに目で合図をした


ラング「行こう、カナール。今は何を言ってもダメみたいだからね。

あ、ミシア、この死亡届は、破らせてもらうよ」


ミシアは、はっとしたように顔を上げた


ミシア「医師のサインは、偽造なんかじゃないわ。本物よ。

ラングの死亡を確認した医師が書いたのよ。ラングは本当に死んだんだから。

明後日、お葬式が終わったら、それを市役所に出して、記者会見するのよ、返して」

ラング？「生きているのに死亡届を書かれるなんて、まったく油断もすきもないね」


そう言いながら、死亡届をビリビリと破り捨てる


ラング？「お前を養女にしたのは、間違いだったようだ。

だが、気が付いてよかったよ。行こう、カナール」


男の人はカナールさんをうながし、一緒に食堂を出て行った

ミシアは悔しそうに、そんな２人を睨んだ


ミシア「そもそも、ラングとカナールが、あんなになかよくしているところなんて、

今まで見たことなかったわ。ぜったい、仲間よ。私を襲った男とも、グルなんだわ」


若武たち三人は、黒木君に通訳してもらっていたけれど、３人とも真剣な顔つきだった

私は、ミシアを助けてあげたかった

でもＫＺの方針を決めるのは、若武の役目だった

ミシアの味方になってほしい。そう願っていると、やがて若武がつぶやいた


若武「ミシアに、俺たちはもう帰るって言えよ」


黒木君はうなづき、ミシアに顔を向けた


黒木「僕たちも、失礼します。そろそろ戻らないと、いけないので」

ミシア「あなたたち、探偵チームだって言ってたわね。私が雇うわ。お願い、助けて。

お金なら、いくらでも払うから。ここに泊まり込んで、私を守ってちょうだい」


黒木君が、それを通訳する。

ミシアにこれを言わせるために、若武は、あんな支持を出したんだ


若武「もちろん、お引き受けします。僕たちＫＺに、まかせてください。

必ず事件を解決してみせますよ」


まるでこれを言うために産まれてきたといった感じで、自信満々、意気揚々

後で上杉君が、ウエッという顔をして舌を出す

それを見て、私と小塚君は、クスクス笑い、黒木君と神崎さんは、静かだった

どんな表情もうかべず、ちょっと悲しげに見えるその目で、

ただじっと空中を見つめていたんだ

Story46　「外泊許可」→←Story44　「証明」　彩side

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