公安少女は、探偵チームに入る？シンデレラ特急編

Story35　「高級店」　彩side ページ16

若武「よし、俺と上杉、小塚はここで待機する。

黒木、アーヤと神崎を連れてあの店に入れ。その女性の様子を探るんだ」


あの後、すぐこっちに戻って来た神崎さんに事情を説明しようとしたら、男の方をみていた

多分、自分で気づいたんだと思う。ほんとにすごいよね、私たちの尾行にもすぐ気づいちゃったし

若武は、神崎さんが戻って来たのを確認したら、キビキビと配置を決めた

私は、黒木君と神崎さんと一緒にその店の前まで行った

でも、神崎さんは先に行ってと言い、怪しい男の方へ行ってしまった

黒木君にどうしようかと声をかけようとしたけど、先を促されてしまった

中に入ると、女性客が数人いる


黒木「つけられていたのは、あの人だ」


黒木君がこっそりと目でさし示す

それは、まだ十代かと思われるような若い女の人だった

赤身がかった長い茶髪を、クルクルに巻いて、胸にも背中にもたらしている

化粧は、すごく濃くて、つけまつ毛やアイラインがばっちり

顔を洗ったら、ぜったい、別人になつタイプだった

でもスタイルは神崎さんと同じでとてもよく、背が高くて、ウエストがしまっていて、脚が長い


黒木「俺は、親を捜すふりをして奥を見てくる。

アーヤは、ここで待つ間に彼女の情報をつかんでおいて」


そう言って黒木君は、店の奥の方に入っていった

私は、壁際によって、さりげない顔つきで女の人をチラ見していた

店の人が何枚もの布地を出してきていたけど、その色は全部、黒だった


店員「すばらしくお似合いでございます、お嬢様」


きっとお金持ちの子なんだ

そばには、メイドさんみたいな人がついていた


お嬢様「じゃ、それでいいわ。今日も入れて２日で仕立ててね」


メイドさんは手に持っていたハンドバックをお嬢様に渡した


お嬢様「あら、カードを忘れたわ。サインでいいかしら」


店員はほほえみながら、大きくうなずく


店員「もちろんでございます、ミシア様」


よし、名前ゲット！

黒木君が奥から出てきて、一緒に店から出た

あの男の方を見ると、なんと、神崎さんといた

なんだか、談笑をしている雰囲気にも思える


上杉「どうだった？」

黒木「普通の服屋だ。裏口はなかったから、いまにあそこから出てくるはずだ」

彩「女の人の名前は、ミシアよ。お金持ちのお嬢様みたい」


瞬間若武が、あ、と言った


若武「もしかして、それ、これか？」


サイドバックから、たたんだ英字新聞を出す

あれ？みんな、神崎さんのことは？

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