公安少女は、探偵チームに入る？シンデレラ特急編

Story31　「聞き取りテスト」　彩side ページ12

フランスと日本の時差は、８時間

でも夏は、フランスがサマータイムを採用しているせいで、時差がマイナス１時間

成田を立ったのは、お昼くらいだったけれど、機内で夕方になり、夕食を食べて寝ると、

あまり時間がたたないうちに、朝になり、現地時間では、それが夕方だった

どう考えても、私には？、？、？

こんな時、小塚君がいたら、わかるように教えてくれるのにな

小塚君は、１人でパパの研究所を尋ね、

そのあとでサン・フルールの寄宿学校でＫＺのみんなと合流することになっていた


放送「まもなくパリ、シャルル・ド・ゴール空港に到着します」


機内アナウンスがあって、やがて飛行機は書こうをはじめ、無事、空港に到着

私達は飛行機から降りて、バスに乗ってパリ市まで行き、そこで一泊

寄宿学校の場所を知る為に、翌日列車で、サン・フルールに向かった

時速３００ｋｍというフランスの誇る高速電車ＴＧＶは、

残念ながら私たちの目的地を通っておらず、在来線に乗ったんだ


『立花さん、周りの会話聞いてみて』


神崎さんが小声で話しかけてきて、そう言った

私は言われた通り、自分の周りにいるフランス人の男の人や、

女の人、それにお年寄りの話す言葉に、耳を傾けた

何しろ、本場のフランス語を聞くのは初めてで、ちょっと不安で、緊張していた


乗客「どこの国の子かしら」


なんて声が耳に入ってくる


乗客「中国人じゃないかな」


ちがっているけど


乗客「韓国人とか、かもね」


おしい、もうちょっと南


乗客「ベトナム人じゃない？」


南に行き過ぎっ！


乗客「モンゴルとか？」


ダメだ、この人たち、アジアの知識がない

話の内容を神崎さんに話すと、合っていると言われた

どうやら聞き取りテストだったみたい

でも私の耳は、ちゃんと聞き取れているし、私の頭はちゃんと翻訳できている

そうわかって、ほっとした

これで、ＫＺのメンバーとして責任を果たすことができる

えらいぞ、私！


『次の駅で降りて、バスに乗る。準備をしておいて』


電車から降りて駅を出ると、夏の太陽がさんさんと照り付けていた

パリでは、そんなでもなかったけれど、ここは結構、日差しが強い

かなり南に来た感じだった

でもいったいここは、地図でいうと、どのあたりなんだろう

このあたりから２００ｋｍくらい南に下ると、もう地中海らしかった

私達は翌日に備えて、ホテルに戻った

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