【名探偵コナン】一緒に寝たいし、一緒に暮らしたい。【安室透】【降谷零】

- 19 -安室side ページ19

あの日以来、僕は仕事が忙しくなり、彼女と顔を合わせることは無くなった。
気まずい雰囲気になるのは目に見えているから、正直どっちつかずの今のままが心地いい。
これからのことを考えるのは、

怖い。

あんな酷いことを言ってしまったのだ。きっともう、元には戻れない。

久しぶりに仕事が早く終わり、彼女と2回目の食事が出来ると思い、心が弾んでいた。
だけど深夜を過ぎても彼女は帰って来ない。
やっと帰ってきたと思ったら、香水と混ざった甘い酒の香りを漂わせていた。


.

.

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「おい安室！」

「どうしたんですか、毛利先生」


結局、あまり眠れずに朝を迎え、僕はポアロに出勤していた。そこで、毛利先生に呼び止められた。


「どうしたじゃねぇよ、Aちゃんを困らせるようなことはすんじゃねぇよ、てことを言いたかっただけだ」

「.......え？ 毛利先生、Aさんをご存知なんですか？」

「あぁ？当たり前だろ、蘭と仲良くしてもらってんだから。この間も一緒に飲んだしなぁ」

「........っ、この前って、3日前の晩ですか！？」

「あ？.......たしかそうだが」


血の気が引いた。僕の顔はきっと真っ青だろう。

Aさんは、毛利先生と飲んでいただけなのだから。

勝手に決めつけて、彼女を傷つけた。

彼女を知ってる風でいて、ないもしらない。








僕は、彼女のことをなにも知らない。



職業も、交友関係も、




すべてを知らない。

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