「十四日」 メイトに行ってきます。 ページ15
小「なんですか、石井さん。」
そう睨みつけようと思ったがそんなことをすれば勿論『より』痛い目にあってしまうのでうつむいた。
石井さんがいたずらそうに笑みを浮かべたのは言うまでもありません。
石「あのねぇ?いいもの持ってきちゃったんだ!ねえねえ、何だと思う?」
流石に体罰でないことは分かった。
なんせあいつはバカじゃあない。
こんな人目につくところじゃ絶対に。
なんせ深海先輩の噴水がすぐそこでしたもの。
私はやっとで顔をあげ、か細い声で言った。
小「なんでしょうか、石井さん。」
石「ふふ…!これよ!」
とご機嫌に見せたのはスマホ。
何やら操作を初めてそれを私の耳元に持って行った。
何やら聞いてはいけない気がしたが体がすくんで動かなかった。
…ねえ、なに、これ。
『……はまあ……つもあみばか……いったい…まちはなにしてるんだよ……んとすごいな…みは。』
この内容は途切れ途切れだったが確かに内容は把握してしまった。
…………衣更君が私の悪口…というか非難している会話。
なんで。
私はしっかりとしているのに。
この前だって褒めてくれたのに。
私のために泣いてくれたのに。
震える手をぎゅっと握りしめ、石井さんに聞いた。
小「なんです、これは。」
石「…聞いてわかんないとかほんっと笑えるぅ―!わかんないの?低能なその頭に教えた上げるわ!この石井あみ様がね!これはねぇ…衣更君の声を録音したもの。わかった?あんたは役立たずなの。」
その一言に…そうですね、言葉で表せば絶望というのでしょうか。
を味わいました。
しばらく黙っていると石井さんの後ろからとある先輩…
鬼龍先輩で。
何やら心配そうな目で私を見ていた。
そして
鬼「おい、小町の嬢ちゃん。斎宮が呼んでたぞ、一緒に部室に行くか。」
小「え…」
と急いだように手を引かれた。
ざくざくと芝生を踏み鳴らす。
しかし、斎宮先輩が私に用なんて……
まあ、どうせまた刺繍の依頼だなーなんて思っていたがしかし、
手芸部の部室とは反対方向に向かうのだ。
校舎はさすが私立ということもあり大きい。
そんな校舎には入り口が表に三つと裏に二つもあり便利だ。
そんな手芸部の部室に一番近い入り口からどんどんとかけ離れるのだ。
なんだかさっきのこともあって怖くなり、足を止めれば鬼龍先輩も足を止めた。
鬼「どうしたんだ、嬢ちゃん。」
小「鬼龍先輩、本当に斎宮先輩は私を呼びましたか。」
と。
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暇じゃない暇人(プロフ) - スーさん» 大変長らくお待たせいたしました。このコメントを読んでいらっしゃるとは思いませんが、悪女の名前変換が可能になりました! (2022年2月14日 21時) (レス) id: 6b8c29da34 (このIDを非表示/違反報告)
スー(プロフ) - あの、とても面白いんですが、主人公の名前と悪女の名前変換できるようになりませんかね?悪女は友達と名前が同じで少し嫌な気分になったというか…。でも、できたらでいいですよ! (2018年8月7日 18時) (レス) id: abfb1a2b9b (このIDを非表示/違反報告)
暇じゃない暇人(プロフ) - 龍果靈さん» わざわざコメントありがとうございます!一鶴さん、多分冒頭を呼んでいませんね。マナー違反です…あ、本当に龍果靈さんの言葉励みになります!これからもよろしくお願いします。 (2017年8月10日 13時) (レス) id: f9aa411c9b (このIDを非表示/違反報告)
龍果靈(プロフ) - メイトに釣られやってきました!(結構前に)愛読させて貰ってます〜。...前の人(Knightsの一鶴?さん)ボロっかす言いますねぇ...特になにか小説かいて人気出てる訳でもないのに...頑張って下さい!応援してますっ! (2017年8月10日 0時) (レス) id: 11187e154c (このIDを非表示/違反報告)
暇じゃない暇人(プロフ) - 芽卯さん» ありがとうございます!王様…もっと活躍させる予定です!これからもよろしくお願いします! (2017年7月23日 16時) (レス) id: f9aa411c9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:暇じゃない暇人 | 作成日時:2017年5月12日 22時