Your side.「再会とお昼」 ページ9
次の日、改めて職場体験について説明を受け、山田の(うるさい)英語の授業を左から右に流しつつ昼休みを迎えた。
お昼ご飯を食べるために食堂に向かっている時に、見覚えのあるシルエットが視界に入った。
「ポニー！？」
「Oh！うたい！！ひさしぶり、デスネ！」
「
ポニーはアメリカにいた時に近所に住んでいた子で、ヒーローになりたいとよく話していた。
日本に行くとは行っていたけれど、まさかこんなところで再会できるとは思ってもいなかったので、思わず嬉しくなる。
お互いいろんな話をしたかったが、彼女は先約があるそうで、日替わりランチを片手にB組の子と合流した。
さて、私は今日のお昼はもちろんお弁当(といっても適当に昨日の残りと作り置きを詰めただけのものだけど)。
まだクラスメイトを誘う勇気がないので1人悲しく食堂で食べようとしたその時、後ろから肩をぽんぽんと2回叩かれた。
振り返るとそこには上鳴くんと切島くん、それから瀬呂くんと爆豪くんがいた。
「うたい、飯一緒に食おーぜ！」
「私でよければ……？」
「んだよ、そんなにケンソンしなくてもいいじゃねぇか！」
バシバシとまあまあの強さで切島くんにまた背中を叩かれた。
痛い、痛いよ切島くん。私はそんなに丈夫じゃないんだ。
爆豪くんはどこか不機嫌だったが、丁度5人座れそうな席を見つけて、そこに各々昼食を広げた。
「弟くんは弁当かよ」
「まあね、食堂使ってもいいんだけど姉さんが帰って来れなくて夕飯余ることが多くて勿体無いから」
「姉さん？うたい、姉ちゃんいんのか」
「うん、あっえっと、血の繋がってない育ての親代わりの姉がいるんだ。紡績ヒーロースピニング」
「まじか、轟もそうだけど紡もヒーロー一家かよ〜……いや、どっちにしろヒーロー一家？」
首を傾げた上鳴くん。うん、そうだね。確かにそうなるね。
爆豪くんの真っ赤な坦々麺と共に、私たちはお昼を食べ進める。
ああ、これが学生生活ってやつか。案外楽しいかも。
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