Your side. 「相澤さん」 ページ3
編入1日目は説明を先に受けるために、少し早く学校に行った。
大きな校門をくぐり、そこで待つ担任の先生に元気に挨拶をした。
「おはようございます、相澤さん」
「ああ、おはよう紡弟。紡から話は聞かされてるよな」
「はい。まさか相澤さんのクラスとは」
姉さんと同級生だった相澤さんとはわりと仲良しだと思う。
もっとも、相澤さんと仲良くなったのは姉さんが相澤さんの家で酔い潰れるたびに迎えに行ったり、日本滞在中に泊めてもらったりしていたからだ。
すると、相澤さんは眉間に皺を寄せて頭を掻いて、
「そっちじゃないだろうが……まあいい。轟と話はついてるか？」
「昨日訪ねました。久しぶりすぎて驚かれましたよ」
くすっと笑って肩を
私、紡うたい——
生まれてすぐに敵に攫われ、それを助けた姉さんに引き取られることになった。
すぐに私を本家に帰してよかったのだが、なにやらその敵が執念深く私
ちょうど体育祭で休みだった昨日を利用して、姉さんと本家に挨拶へ行った。
しばらく音沙汰無しだったため、兄さんはもう二度と会えないかと思っていたみたい
と言っても、今まで年に4回ほどしか会うことが許されなかったから、これから親睦を深めるために週末は本家で過ごすことになった。
「職員室ここな、何かあったら大抵ここいけば解決する。」
「わかりました……あっ、山田と睡お姉さん！久しぶりです！！」
横で相澤さんが何か言っているがそれを無視して大きく二人に手を振った。
すると山田は「さんをつけろ、うたい！」といつもの返事で、睡お姉さんは「学校生活楽しんで！」と返してくれた。
「おい紡弟、俺たちだけの時はまだしも普段はちゃんと先生って呼べよ。俺はそのまんまでいいが、山田と香山先輩はヒーロー名に先生つけろ」
「姉さんじゃないんだからその辺は弁えるよ。相澤先生も紡弟って呼ばないでくださいね」
そういうと相澤さんはそうだったとため息をついた。
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