【ヒロアカ】轟弟、危険につき。【男主】 (ページ17)

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Your side.「理性」ページ17

他人と合わせるのは姉さん以外では初めてだから、正直いっぱいいっぱいなところもあるけど、兄さんが見てる。
私は兄さんの足枷になる人間じゃない。いざとなったら兄さんを守れるだけの強さは持ち合わせているのだと証明するためにも、この戦いは負けられない。

「冷静、理性を保て、よく見て、落ち着いて……」

(紡くん……？)

ヒーロー殺しと距離を詰める。刀を短くして短刀のようにすると、喉を掻っ切るように素早く動かした。刃先は入ったが、難なく避けられる。
……うん、甘くはないね。人数有利でもこいつは対人経験が私たちよりもある。
緑谷君のいるところまで下がり、兄さんの攻撃を見ながら次の一手を見極める。

「やめてくれ、もう僕は」

「やめてほしけりゃ立て！なりてえもんちゃんと見ろ！！」

ヒーロー殺しのターゲットが兄さんに移る。

「氷に炎……言われたことはないか？個性にかまけ挙動が大雑把だと」

「化モンが……！」

ああ、敵はやっぱりこのくらい強い方がいい！
丁度ヒーロー殺しの足裏に氷を張って動きを鈍らせたところに飯田君が飛び出して、刀を蹴り折った。

「解けたか、意外と大したことねえ個性だな」

「轟くんも、緑谷くんも紡くんも関係ないことで申し訳ない。だからもう、3人にこれ以上血を流させるわけにはいかない」

「私はそんなに大したケガはしてないけどね。……さて、気合を入れ直していこうか」

きっ、とヒーロー殺しの方をみると明らかにさっきまでと様子が異なっている。
感化されてどうとか、社会のガンだとかなんとかほざいてる。
私1人が社会のガンだと言われるのは構わないけど、友人たちをそういうふうに言うのはカンベンして欲しいな。