【ヒロアカ】轟弟、危険につき。【男主】 (ページ14)

今日:23 hit、昨日:4 hit、合計:5,470 hit

Your side.【戦闘】ページ14

【ああ楽しみだ(・・・・)。久しぶりの実践に心が躍っているのがわかる】
……いやダメだ、今日は兄さんもクラスメイトもいる。派手にやったら怒られるしきっと私のことをよく思わないだろう。
落ち着いて、冷静さを……理性を保って。
改めて構え直すと緑谷くんがヒーロー殺しについて話し始めた。

「そいつに血ィ見せちゃダメだ！多分血の経口摂取で相手の自由を奪う！みんなやられた！」

やっぱりそんなところか。あのナイフ液体に戻してもいいけど、今日は私一人じゃない。兄さんはともかく熱で三人が危ない。

「それで刃物か。俺なら距離を取ったまま……」

「っ！兄さん前！！」

ヒーロー殺しの投げたナイフをギリギリの避けたが少し切れて血が出てしまっている。

「いい友人を持ったじゃないか、インゲニウム」

(はやっ……！)

ほぼ反射レベルで私は柱を作り兄さんに触れるギリギリのところでもう一本を止めた。
兄さんもどうやら反応したみたいで、たった一本を止めるには少々大掛かりになってしまったような気がする。
ヒーロー殺しが上を見て、それに釣られるように兄さんは上を向いた。

(あれは……刀！ナイフと同時に投げて！)

「兄さんっ！」

時すでに遅し、ヒーロー殺しは兄さんの襟を掴んでその血を舐めようとしていた。
実際に自分がそうされたらと考えるだけで悪寒が走る。兄さんは炎を出してそれを逃れていたけど、上手い視線誘導に引っかかったのが癪に触らない。
私も実践経験なら豊富だと思ったんだけど、向こうのほうが一枚上手かもしれないなあ。

【なら、尚更いい。思う存分に楽しめそうだ】

「兄さんを襲うための刀はキミの武器だろう。なら、こちらもそれ相応に対応しようか」

先ほどの槍を作り替えて、太刀へと変形させる。
こいつは一手一手が二択三択を私たちに突きつけてくる。早さも相まって混乱しないようにしないと、ね。
【刃と刃がぶつかる感覚がたまらなく面白い】
姉さん以外の人間とやり合うのが楽しいが、兄さんの氷でハッとさせられる。
…….今は職場体験中、見習いの私たちが超えちゃいけない一線がある。一般的な高校生の感覚を元に戻せ、今はプロの応援待ちだ。

頭の中でそれを反芻させてヒーロー殺しの攻撃を流していく。