【ヒロアカ】轟弟、危険につき。【男主】 (ページ13)

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Your side.「ヒーロー殺し」ページ13

さっきの位置情報は何かしらのSOSのサインなのかもしれない。
同じ保須市にいるのであればこの混乱に乗じて何かしらのヴィランと遭遇しても不思議じゃないよね。

ビルとビルの隙間を移動しながら横目で確認し、ついでに逃げ遅れた人の誘導をする。
ある一角に辿り着くと、声が聞こえてきた。

恐らく対峙しているヴィランとのものだろう。
丁度向かいから兄さんもやってきた。なら確定だね、きっとここに緑谷くんがいる。
兄さんは派手に炎を放った。

「緑谷、こういうのはもっと詳しく書くべきだ。遅くなっちまったじゃねぇか」

「同じく、ちょっと考えたよね」

すっと右手を上げて持ってきた水で氷の槍を作り、ヴィランと思わしきボロ布の男に向ける。

「轟くんに、紡くん……」

「紡くんも、なんで……！？轟くん、左側を使って……！？」

「今はそんなことどうでもいいよ」

にっこりと笑って私と兄さんは敵への攻撃を続ける。ナイフが飛んできたけど、そんな物理攻撃ならまだ目に追える。
かするかどうかギリギリのところだったけど、このくらいはきちんと避けれなくちゃね。

「数秒『意味』を考えたよ。一斉送信で位置情報だけ送ってきたから……意味なくそういうことする奴じゃねえからな、お前は。ピンチだから応援呼べ(・・・・・・・・・・)ってことだろ。あと数分もすればプロも到着する」

姉さんが正直手一杯だし、サイドキックの人も来れるか分かんなかったから、最悪私ひとりでこの場を押さえようと思ってたんだけど、プロが来るのか。ならちょっとだけ安心だな。

「こいつらは殺させねえぞ、ヒーロー殺し」

「……うん、守らなくちゃねえ。姉さんの弟なんだ、このくらい出来なくちゃ名折れだよ」

流石に加減をしとかないとまずいか。今回の目的は捕らえることだもんね。
背後の槍を少しだけ小さくして、殺傷能力を低めた。
確か、ヒーロー殺しの個性は血が何とかって噂に聞いたな。恐らく飯田くんや緑谷くん、そしてプロが床で寝ているのはその影響だろう。
さて、どうやってヒーロー殺しと戦おうか。