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No side.「兄」 ページ2
「ほらうたい、お兄ちゃん出てるよ」
新居にも慣れ、夕飯の用意を手際よく行っていた。
姉である綾が雄英体育祭の表彰式を指差すので、ほうれん草を和えていた箸を止めて、そちらを見る。
「本当だ。大きくなったなあ兄さん」
「そ、にしてもやっぱりそっくりねー。髪色違くてよかったわ」
「私はインナーが赤だからね。」
サラリとした髪を耳に掛けた、ちょうど耳の付け根あたりから綺麗な赤が見える。
そんなうたいをみて綾は笑った。
表彰台に立つのは毎朝鏡で見る自分と瓜二つの彼。優勝していないのに、どこかすっきりとして優しい表情をしている。
そんな彼と実に3年ぶりに会う。
「轟……焦凍、兄さん。」
トルマリンとオブシディアンの双眸が期待と不安で揺らめいていた。
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