「過保護九人」 やっとな日常。 ページ11
小「レ…オ……？」
影「ん？どうしたんや、小町。」
下を向いてずっと黙っているみかちにいい加減話しかけようとしたとき。
とある公園の前で立ち止まる午後七時。
まだ明るいのは夏前だからか、それとももう夏なのか。
ベンチに座ったオレンジ色を見つけた。
そこから
「〜♪〜〜♪」
と一小節分のメロディを刻む。
が、うまくいかないのか、すぐに辞めてまた別のメロディを刻む。
その鼻歌に聞き覚えがあった。
…レオの音。
小「みかち、ごめん。私予定思い出した。ここまででもいい？」
影「……あっ！ごめん、ぼーっとしてた。うん、ええよ？ほなまた明日な〜」
みかちに手を振る、小さくなるまで。
そして私はみかちの背がずうっとちいさくなってすぐ駆け寄った。
小「うっちゅー☆レオ。」
月「うっちゅー☆ん、なんで知っているんだ？まて、思い出すから！」
返事をして優しく隣に座った。
むー、とレオはかれこれ長いこと呻いてとつぜんはっとし
月「わかったぞぉ！にゃーちゃんだな！…………傷がなくなってるってことは」
小「うん、石井さんは普通科に転科。アイドル科、及びイベント出入り禁止。」
と最後まで言えただろうか。
レオがぎゅっと抱きしめた。
少しやせたレオはそれでもやっぱり暖かかった。
小「レオ、私、計画しているイベントがあるんだぁ。レオのぶんの衣装もちゃんと用意しているから、無理にとは言わない。これたらおいでよ。」
月「にゃーちゃん…」
小「あと、ピアノが上手くなったんだよ。どのユニットのも弾けるからきっとレオのも弾けるよ。ほかの楽器も勉強したんだ。今度街のイベントでKnightsが出るんだけど、そのとき私がピアノで全部弾くの。久しぶりに見てみない？新入りも来たんだ、レオのいない間に結構いろいろ変わっている。革命を起こそうとしているユニットもある。だから…」
ストップがかかった。
手が私の口をふさぐ。
レオはうつむいて
月「まだ、そのときじゃない。やっと外に出れたんだよ俺。……褒めてよ、何よりも先に。」
悲しくつぶやく。
すこし困って頭を撫でた。
子供みたい。
レオは一生懸命にメモ帳を握っていた。
ペンが落ちた。
夕日の沈み切った公園に二人だけいた。
ちょうど街灯がちかちかと点滅する。
シの音、ミの音。
私の口から洩れた。
それがメモを濡らしてしまう。
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Grace(プロフ) - 朱憑（さぶ）さん» 朱憑さんありがとうございます。元・暇じゃない暇人です。こんな駄文を気に入ってくださりありがとうございます。ご感想嬉しいです！ジャンルは異なりますが、現在占ツクさんで最後の作品を書いているところです。もし興味がありましたら是非ともよろしくお願いします (2022年12月18日 17時) (
レス) @page7 id: 6b8c29da34 (このIDを非表示/違反報告)
朱憑（さぶ） - 暇じゃない暇人さん。数年間（最近見始めたのでいつからやってるのか（汗））お疲れ様でした！！とても面白く何周もしています！！本当にお疲れ様でした (2022年12月6日 14時) (レス) @page14 id: 369ab47d46 (このIDを非表示/違反報告)
暇じゃない暇人(プロフ) - 天城寧胡さん» 頑張ります！これからもよろしくお願いします！ (2017年9月14日 13時) (レス) id: f9aa411c9b (このIDを非表示/違反報告)
天城寧胡(プロフ) - 頑張ってくださいね！ (2017年9月13日 21時) (レス) id: 1c6f6f17e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暇じゃない暇人 | 作成日時：2017年8月12日 21時
