朝の時間 ページ8
(ザップside)
「ふわあ…」
大きなあくびをして伸びる。
「あ、そうか。俺、Aの家で世話に……」
ベッドから降り、リビングに向かう。
なんかすっげえいい匂いが……。
「あ、目が覚めたか?ザップ」
「A…」
黒を基調とした私服の上に、白のエプロン……。
ごっさ可愛い←
「目玉焼きとトースト。コーヒーはブラックか?」
「み、ミルクをちょっとだけ…」
「わかった。トーストはバターかジャムがあるけど?」
「バターで」
「わかった。少し待ってて」
こっちを見て、ニコッと笑うA。
やべえ、惚れ直す…。
「おい、出来たよ」
「お、おう…」
パクっと一口食べた。
卵は半熟。
トーストはカリカリ。
うまい。
「どう?」
目の前で机に肘を付き、俺を見つめるA。
お前は嫁か!?←
「う、うまいぞ」
「そうか。良かった!」
「おう…」
ヤバイ。俺を殺す気か…?
「ライブラに早く行こう、ザップ。今日は任務があるんでしょ」
「まあな…」
コーヒーを飲みながら、俺はふと気づいた。
「お前…食わねえの?」
Aは自分の分を用意していなかった。
「ああ…。いいんだ。私の主食は血だし」
「いつ飲んでんだよ」
「あ〜…」
気まずそうに目を背ける。
「今までは、喉が渇くのは時々だから……ほんとに時々人間を襲って、血を飲んでた」
「これからは…?」
「……………考えてません」
「………」
主食が血のAからしたら、命に関わるんじゃないのか?
いや、血界の眷属の気持ちなんか知らねえけど…。
「あの、よ……もし、飲みたくなったりしたら、俺の飲むか?」
「えぇ!?いいよ、そんな」
「喉乾いて、暴れられても困るし」
「私はそんなこと…!」
Aはなにか言いかけて、口をつぐんだ。
「言い切れねえだろ?なんかあったら言えよ。飲みたくなったら、いつでもいいぜ」
俺が笑いかけると、フイッとAはそっぽを向き、
「私は…………………………」
何かを呟いたが、俺には聞こえなかった。
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わごむ - 好きです(唐突の告白) (2020年5月20日 5時) (レス) id: 37d509fa97 (このIDを非表示/違反報告)
とき(プロフ) - お気に入り登録ありがとうございます!!まだまだ頑張りますので、よろしくお願いします! (2018年5月31日 19時) (レス) id: 16eb3c1efe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とき | 作成日時:2018年5月30日 17時