幸運 ページ7
(ザップside)
A……。
『だ、誰!?』
『私に構うな！』
『私は、血界の眷属だぞ!?お前の敵だぞ!?』
『その願いは聞けない…。私は探さなければいけないものがあるんだ。すまないな…』
………お前の探さなければいけないもの…。
それは…………………………。
「うう…」
頭、痛い…。
また飲みすぎたか…。
俺は体を起こすと、あたりを見回す。
レオとツェッドがいない。
あいつら、俺を放置していったな…。
「やっと起きたか、ザップ?」
「ん？あぁ、まあ……」
……え？
バッと後ろを振り返ると、Aがいた。
「え、ええ!?A!?なんで!?」
「なんでって……レオナルドに呼ばてれて、ザップをよろしくって」
「あの野郎……!」
「さっ、目が覚めたなら、帰るぞ」
Aは俺の手を引き立ち上がった。
「金は私が払ったから。ほら、早く立て」
「お、おぅ…」
俺は手を引かれるがまま、立ち上がった。
「ザップ、家は何処だ?」
「え？」
「送ってやる」
……………それって、普通男が女に言う言葉じゃね？
なんで、俺がAに言われてんだよ…。
「いや、A。いい。俺は一人でかえ…うっ…!」
急に気持ち悪くなってきた…!
「あ、吐くか？ひょっとして、吐きそう？」
Aは俺を路地裏へ連れて行く。
「うえええええ…」
「汚い…」
「うるっせ…」
そう言いながらも、Aは優しく背中を撫でた。
「もう大丈夫か？」
「あぁ…ありがとう…」
「飲み過ぎ注意だ」
「うっ、わかった…」
「まさか…お前の師匠から色々聞いてはいたが…これ酷いとは…」
「うう〜いうなぁ。それ以上言うな…」
今、俺はAにおぶられてる。その理由は…。
「まさかの愛人に見つかって、私と一緒にいるのを怒ってぶん殴られるなんてな。残念」
「いいいいてぇえええ…」
「はいはい。それに、ザップは家がないのか」
「だって、いつも女の家に…」
「バカだろ」
「返す言葉がありません…」
Aはハァっとため息をついて、言った。
「私のアパートにこい。なかなか広いからさ」
「え、俺が?Aの!?」
「いやか?」
「お世話になります!」
よっしゃああああ!!
殴られて超頬が痛いけど…！
飲み過ぎで気持ち悪くて、頭が痛いけど…!
こんな嬉しいことがあるなんて!!!
「ん。じゃあ、こっちだから、行くぞ」
「あ、ああ」
今更だけど、男が女におぶられるってどうよ…？
A、力強いな…。
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わごむ - 好きです(唐突の告白) (2020年5月20日 5時) (
レス) id: 37d509fa97 (このIDを非表示/違反報告)
とき(プロフ) - お気に入り登録ありがとうございます!!まだまだ頑張りますので、よろしくお願いします！ (2018年5月31日 19時) (レス) id: 16eb3c1efe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とき | 作成日時：2018年5月30日 17時
