『あのときは』 ３ ページ23
(ノーside)
「……あ、れ？俺…寝ちまったか…」
ザップが目を覚ますと、毛布がかけられていた。
身体を起こそうとしたが、何かが足の上に乗っているのか、起き上がれない。
チラリと見ると、ザップの膝を枕にAが眠っていた。
「こ、コイツ…」
起こそうと伸ばした手をザップは止めた。
「……起こさないでおくか…」
ザップは、自分にかけられた毛布をAにかけ直した。
「にしても、コイツよく寝るなあ…」
ジッーと見つめていると、風が吹き、Aの髪を揺らした。
「……」
ザップは気まぐれで、Aの頭に手を伸ばした。
「…うっわ、髪サッラサラだ…」
撫でてみると意外にも気に入り、撫で回した。
「んー……な、なにー…？」
「あっ…！」
撫ですぎて、Aは起きてしまった。
「す、すまねえ…」
「…？私のこと撫でてたの？」
「えー、あー……まあ…」
「じゃあ、もっと撫でてー」
「ん、いいけど………え！？」
Aはねぼけているのか、ニコニコしながら言った。
「お、おまえ、ねぼけてんのか？」
「んふふ…冗談だって、すごい顔が真っ赤だよ？」
「っ……う、うるせえ…！」
ザップは赤くなった顔を隠すように片手で顔を覆った。
「……ザップ」
「んだよ」
「もう一時間くらい立ったと思うけど……お師匠さんとこに帰らなくて大丈夫？」
「……あ」
ザップはさっきまで真っ赤だった顔が、一瞬で真っ青になった。
「やべえ…怒られる…！」
ザップは急いで立ち上がった。
「す、すまねえな！じゃあな、A！また来る！」
「バイバイ」
「おう！」
ザップはAに手を振って、走っていった。
じゃあね、ザップ。
きっともうこれが最後。
さようなら。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 21人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わごむ - 好きです(唐突の告白) (2020年5月20日 5時) (
レス) id: 37d509fa97 (このIDを非表示/違反報告)
とき(プロフ) - お気に入り登録ありがとうございます!!まだまだ頑張りますので、よろしくお願いします！ (2018年5月31日 19時) (レス) id: 16eb3c1efe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：とき | 作成日時：2018年5月30日 17時
