大人なあの人【声優 津田健次郎】

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「Aさんは甘い物好き？」

唐突に、列に並んでいるとき、津田さんが聞いてきた。

「甘い物、ですか？私、大好きです」

私がそう答えると、パッと笑顔になる津田さん。

「じゃあ、後で食べに行こう。地図見たら、いいとこ見つけたから」

津田さんは私に地図を見せた。

ここから近いところにフード店がある。

「ここ、美味しそうですね」

紹介の写真を見ただけで、美味しそうなのがわかった。

「俺もそう思うよ」

津田さんは地図を丁寧にたたんで、カバンにしまった。

気付けば、もうすぐ順番が回ってきていた。

「もうすぐだなぁ……俺こういうのイヤだな…」

「フフ、高いの嫌いなんですか？」

私がそう言うと、津田さんは「うーん」とうなった。

「高いのが怖いんじゃなくて、なんか、風というかなんて言うか……」

「一緒ですよ…フフッ」

「笑わないでよ、Aさん〜……ハハハッ」

津田さんと私は笑い合った。



ジェットコースターに乗りました。

「ちょっと気持ち悪いんで、休んでいいですか……」

「Aさん、あそこにベンチあるよ」

「ありがとうございます…」

私のほうが潰れました。

思ったより凄かった…。

グルグル回るし、ビュンビュン走るし…。

それよりも、津田さんのほうが強いっ…！

「大丈夫？」

「全然、ダメです。すいません…」

「いいよいいよ、気にしないで。ゆっくり休んで」

「はい…」

津田さんは隣に座って、フゥと息を吐いた。

「あ、そうだ。ちょっと待ってて」

津田さんは急に立ち上がって、何処かへ走っていった。

「う、ちょっと水買ってこよう…」

私は近くの自販機に水を買いに行った。

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