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お昼ご飯を食べて、映画観たりショッピングをしたり、カップルのデートみたいなお出かけをした。
当たりはもう暗くなっていて、そろそろ帰るのかと思っていたのに、車はマンションとは逆の方へ進んでいる。
すれ違う人たちはみんなカップルで、1人で出かけなくて良かったと、これだけは臣さんに感謝した。
「どこ行くんですか？」
「んー、内緒」
「なんですかそれ。彼氏じゃないんだから」
「内緒のほうが楽しいだろ」
ああ、またこの顔。
子供みたいな、無邪気な笑顔。
貴方の笑顔は、いったい何種類あるの？
貴方の笑顔がコロコロ変わるのは、計算ですか？
だったら相当の演技派だわ。
「降りて。ちょっと歩くけど、寒くない？」
「はい、大丈夫です」
「はぐれないように手繋いでやろうか？笑」
「別にいいです！」
またそうやって、優しくしたり意地悪言ったり。
私の心を揺さぶるの。
...私の心を、揺さぶるの...？
私、心を揺さぶられてる？
そんなはずはないの。
そんなことあってはいけないの。
このヒトはだめ。
平気で女の子を傷つけるの。
「あれ...？臣さん？」
気づいたら、前を歩く臣さんがいなかった。
そりゃ、人混みだけど、本当にはぐれると思わなかった。
どうしようかと焦るうちに、人に押されてどっちに歩いていたかも分からなくなる。
まずいぞ。
これは本当にまずい。
行き先は内緒って言われてここがどこだかわからないし、臣さんはいないし、こんな人混みの中見つかるわけないし、
どうしよう...。
そうだ！と思い立ってスマホを取り出したけれど、臣さんの連絡先を私は知らない。
ああ、もう、クリスマスに知らない場所でひとりぼっちだなんて。
ああ、もう、この年になって迷子だなんて。
こんな自分が嫌になる。
臣さんを探すのを諦めて、人通りの少ないほうへ歩いて行くと、小さな公園を見つけた。
人がいなくて暗くて、今の私には有難い場所だ。
ベンチにそっと腰を下ろして、賑やかな街を眺めた。
吐いた息は白く染まって、擦り合わせた指先は赤く悴んで、私はマフラーに顔を埋めた。
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ケイト(プロフ) - ぐらさん！ はじめまして。 テンポ良くてとても楽しいお話です頑張ってくださいね。楽しみにしてます。 (2019年12月21日 12時) (
レス) id: 58e2f25ab2 (このIDを非表示/違反報告)
ぐら(プロフ) - とさこさん» ありがとうございます！ (2017年12月22日 18時) (レス) id: 07d3f7974d (このIDを非表示/違反報告)
とさこ - これ本当に面白いです！続き楽しみにしてます (2017年12月8日 0時) (レス) id: a052acf338 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぐら | 作成日時：2017年11月20日 16時
