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気づけばもう閉店の時間が迫っていて、私たちは急いでお会計を済ませた。
タクシーを拾った莉音がまた明日ねってさっさと帰ってしまう。
ほんとに冷たい。
岩ちゃんが私を送ってくって言ってくれたけれど、岩ちゃんの家は私の家とはあまり近くないし断ろうとしたら、登坂さんがそれを遮った。
俺が送ってくよ、って。
『隣の部屋の登坂さん』という括りになっているからか、妙に納得したような顔をした岩ちゃんはじゃあお願いします、なんてあっけらかんと答えた。
お願いしますじゃないよ!
遠ざかっていく岩ちゃんの背中を睨んで歩き出した登坂さんについて行く。
どうせ一緒の道だしいいけど。
「まさか岩ちゃんの友達とは思わなかったな〜」
ネクタイを緩めた登坂さんが伸びをしながらそう言った。
「私も噂のオミさんが登坂さんだとは思いませんでした」
「噂の?笑」
「岩ちゃんが臣さん臣さんってうるさいんです」
「そりゃ嬉しいな」
鼻の先を擦りながら薄ら笑う登坂さん。
女の子に好き好き言われるのは慣れているけれど、男の子に好き好き言われるのは慣れてないらしい。
あたりまえか。
「なんかいいね」
「なにがですか?」
「臣さん」
前を向いたまま、登坂さんは言う。
臣さんがいいねって、なにそれ。
ナルシスト?
私が顔をしかめて見つめているのに気づいた登坂さんが、無邪気な少年みたいに笑った。
なんでそんなふうに笑うのよ。
いつもは意地悪な顔で笑うのに。
「誤解してるね」
私の動揺に気づかない彼は、ククッと肩を震わせる。
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ケイト(プロフ) - ぐらさん! はじめまして。 テンポ良くてとても楽しいお話です頑張ってくださいね。楽しみにしてます。 (2019年12月21日 12時) (レス) id: 58e2f25ab2 (このIDを非表示/違反報告)
ぐら(プロフ) - とさこさん» ありがとうございます! (2017年12月22日 18時) (レス) id: 07d3f7974d (このIDを非表示/違反報告)
とさこ - これ本当に面白いです!続き楽しみにしてます (2017年12月8日 0時) (レス) id: a052acf338 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぐら | 作成日時:2017年11月20日 16時